イエマ渾身の復刻モデル「ミーングラフ スーパー」は、

そらぽん氏はヴィンテージウォッチを中心とした時計コレクターである。特に、イエマが製造してきた「ミーングラフ」に一家言持っており、今も複数本を所有している。2024年、そのイエマがアニメ『ルパン三世』でも登場したクロノグラフウォッチ「ミーングラフ スーパー」を復刻。そこで『クロノス日本版』編集部は、「日本で最もミーングラフを知り尽くす男」と言うべきそらぽん氏に、この復刻モデルの着用レビューを依頼した。豊富な知識とミーングラフ愛にあふれた独自の視点から、彼がこのモデルを丁寧にひもといていく。

ルパン三世も愛した、イエマ「ミーングラフ スーパー」の復刻モデルを着用レビュー
1970年代にイエマが販売したクロノグラフウォッチ「ミーングラフ スーパー」が、リシャールミル スーパーコピー代引き 優良サイトついに自動巻きの機械式ムーブメントを搭載した腕時計として復刻された。本作はアニメ『ルパン三世』ファーストシリーズの、第1話でルパン三世が手首に巻いていた腕時計として、日本のルパン三世ファンには非常に知られたモデルである。この復刻版の販売に先立って、実機を借りることができたので、僭越ながら見たまま触ったままの感想について皆様に共有させていただく。

結論から言ってしまえば、ポップな1970年代らしいデザインが刺激的で、中身も信頼できるムーブメントを積んでおり、10気圧防水と実用性は十分。ルパン三世のファンの方はもちろんであるが、そうでない方々、特に手頃な価格で人と被らず、濃密なストーリーを秘めた確かなブランド・モデルをお求めの方に、ぜひ検討してほしい1本であると言える。

なぜそう思ったのか、ぜひこのまま読み進めていっていただきたい。少々長くなってしまったが、他のどのレビューよりもこのモデルをディープに掘り下げているため、きっと納得してもらえると信じている。

イエマ ミーングラフ
イエマ「ミーングラフ スーパー ジャパンリミテッドエディション」Ref.YMEAN24JP-AA33LS
自動巻き(Cal.ETA7753)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径39mm、厚さ16mm)。100m防水。日本限定500本。39万6000円(税込み)。

『ルパン三世』を知っているか
さて、時計のレビューの前に、本作を理解するにあたって切っても切り離せない重要なファクター、『ルパン三世』について、まずは少しばかりお付き合い願いたい。

モンキー・パンチ原作の国民的アニメである『ルパン三世』は、2024年現在まで大きく分けて6期のアニメ放映がなされているが、最重要と位置付けられるものは、最も原作に近く冒険的であったファーストシリーズ、そしてよりコミカルにアレンジされ、ルパン、次元大介、石川五ェ門、峰不二子のレギュラーメンバーが固定され現代まで続く『ルパン三世』のイメージを決定付けたセカンドシリーズであろう。この頃は宮崎駿が制作に参画していた回もあり、『ルパン三世 カリオストロの城』や『天空の城ラピュタ』などの映画と共通のモチーフを見つけることができる。

ファーストシリーズではルパンは緑色のジャケット、セカンドシリーズでは赤のジャケットを着ていたことをご記憶の方もいるだろう。

ファーストシリーズの記念すべき第1話『ルパン三世 ルパンは燃えているか・・・・?!』が放送されたのが1971年10月24日。ルパン帝国の敵対組織であるスコーピオンがルパンを消すため、巨費を投じて建設した東洋一のレース場、飛騨スピードウェイが舞台であった。スコーピオンのボスはここで開催する偽レース「飛騨グランプリ」にルパンを招き、数々の罠を仕掛け、始末しようと画策する。ルパンは「フェラーリ(劇中ではフェラリーと発音)312B」で参戦するが、そんなルパンを捕まえるべく参戦した銭形警部が、「ロータス72」を駆ってぴったりルパンを追うのであった。

ルパンはレース中、スコーピオンの本部を殲滅し捕らわれた不二子を救うべく、銭形に気付かれないよう完璧なタイミングで、ルパンと同じレーサースーツで同じ車に乗った次元大介と入れ替わり、しばらく次元がルパンの身代わりとなってレースを走る。この時に次元と入れ替わるためのタイミングを合わせる必要があり、次元はゼニスの「エル・プリメロ」、そしてルパン三世は今回レビューする時計のオリジナルであるイエマ「ミーングラフ スーパー」のクロノグラフを使って時間を計測し、絶妙なタイミングで車ごと入れ替わったのであった。

まさにこの瞬間が、ルパンの時計が明確に表現された、記念すべき瞬間だったのだ。

なお、この回はTMSアニメの公式Youtubeチャンネルから無料で視聴が可能であるため、ぜひご覧いただきたい。ミーングラフ スーパーが登場するのは、10:50秒あたりである。

ルパン三世の時計が特定された経緯
劇中に登場する車は、すべてモデルが存在する。上記2種の他にも、スコーピオン構成員が乗る「ブラバムBT34」、ボスが乗る「メルセデス・ベンツW108」、次元が潜んでいた「トラック MAN F7」、等々。