ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボの新作情報です。

ヴィンテージアイテムをリメイクした「ミュウミュウ アップサイクル(Miu Miu Upcycled)」のアイテムが、2025年6月21日(土)よりミュウミュウ青山店・伊勢丹新宿店3階にて発売される。

厳選されたヴィンテージアイテムをリメイク
ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真9
© Courtesy of Miu Miu
「ミュウミュウ アップサイクル」は、世界各地のヴィンテージショップやマーケットから厳選された貴重なアイテムをミュウミュウ独自の視点で再解釈し、リメイクするカプセルコレクション。第1弾としてドレスがリメイクされた他、デニムウェアやレザージャケットをリメイクしたウェアもこれまでに展開されている。

芸術家たちの集う“隠れ家”を着想源に
ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真10
© Courtesy of Miu Miu
キャサリン・マーティンとタッグを組んだ「ミュウミュウ アップサイクル バイ キャサリン・マーティン」の着想源となったのは、かつて多くの芸術家や作家たちが集った歴史ある「隠れ家」。写真家ジャック=アンリ・ラルティーグによる1920年代の写真に見て取れる、当時のモダンライフからインスピレーションを得ている。

ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真21
© Courtesy of Miu Miu
本コレクションは、マリンスタイルをモチーフにした「マリニエール(Marinier)」、1920〜30年代のランジェリーに着想を得た「イブニング(Evening)」、ヴィンテージのシルクスカーフやミュウミュウのプリントをあしらった「フラール(Foulard)」といった3つのテーマから構成。Tシャツからデニムパンツ、ドレスまで幅広いウェアが揃う。

マリンスタイルのストライプシューズ&ドレス
ドレス 880,000円(予定価格)
ドレス 968,000円(予定価格)
「マリニエール」は、クラシックなレッド、ホワイト、ブルーを基調としたマリンスタイルがモチーフ。ヴィンテージのデニムをベースにセーラーカラーを組み合わせたジャケットや、ボーダーTシャツをパッチワークした華やかなキャミソールドレスなど、マリンテイストが漂うウェアを展開する。

ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真31
© Courtesy of Miu Miu
中でも注目は、ストライプのバレリーナシューズ。ネイビーカラーをベースに、ストライプや無地など、色や柄が異なる生地をパッチワークしている。つま先部分には艶やかなレッドの生地を配し、上質なアクセントを添えた。

“ランジェリー着想”レースのレイヤードドレス
ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真24
© Courtesy of Miu Miu
「イブニング」では、1920〜30年代のランジェリーに着想を得て、レースとカットソー生地のレイヤードスタイルで再構築。ラインナップには、柔らかなシャーリングを配した半袖のワンピースや、バイアスカットのボーダー生地で仕立てたサマードレスなどが揃う。

ドレス 660,000円(予定価格)
ドレス 726,000円(予定価格)
たとえば、Tシャツとランジェリーをドッキングしたスリップドレスは、コントラストの効いた組み合わせでセンシュアルさが際立つ仕上がりに。着るだけで華やかなスタイリングが完成する1着となった。

ヴィンテージスカーフ用いたホルターネック
ミュウミュウが衣装デザイナーのキャサリン・マーティンとコラボ、ヴィンテージリメイクのドレスなど|写真36
© Courtesy of Miu Miu
また「フラール」は、ヴィンテージのシルクスカーフやミュウミュウ(MIU MIU)のプリントを用いたホルターネックやスカートを展開する。中でもホルターネックは、スカーフを三角形に折りたたんだようなシルエットが特徴。上部には繊細なネックレスを思わせるパーツを飾り、背中部分はスカーフをきゅっと結んだようなデザインに仕立てた。夏の陽気を連想させるような、軽やかなムードが魅力的だ。

エド・シーランがパテック フィリップ Ref.5004Aの新作情報です。

ウォッチスポッティングの世界は、いまや飽和状態にある。だからこそ我々は、その喧騒を突き抜けるような人物、場所、プロダクトだけに、貴重なインク(というかピクセル?)を費やすようにしている。そして今回の1本は、その条件を十二分に満たしている。

 2025年の“TIME誌が選ぶ世界で最も影響力のある100人”に選ばれた栄誉を祝し、エド・シーラン(Ed Sheeran)が身につけたのは、あらゆる雑誌の表紙に登場した時計のなかでも最高峰といえるだろうパテック フィリップのRef.5004Aだった。ステンレススティール製のスプリットセコンド・パーペチュアルカレンダーである。このモデルはわずか50本限定とされており、多くの時計愛好家にとって聖杯リストの頂点に君臨している。5004はどのバリエーションであっても、複雑系パテックコレクションの中核となり得るが、なかでもSS製でシンプルなオビュ(弾丸)型インデックスを備えたものはまさに別格だ。この時計はパテック フィリップから正式に発表されたことはなく、ジュネーブのパテック フィリップ・サロンを通じて、顧客に直接案内されたに過ぎない。最終的に、5004Aの存在が広く時計界(およびHODINKEE)に知られるよりも前に、その全生産分はすでに完売していた。

Ed Sheeran on the cover of TIME100 wearing a Patek Philippe 5004A
Photographs by Adrienne Raquel for TIME

 エド・シーランほどの人物であっても、TIME誌の表紙を飾り、2025年の世界で最も影響力のある100人に選出されるというのは真に祝うべき出来事である。そんな特別な瞬間に聖杯たるパテックを手に取るのは、ごく自然な選択だろう。日常的にはさりげなく見えるかもしれないが、Ref.5004Aはまさに“大舞台”のための時計である。2018年にはジョン・メイヤー(John Mayer)がこの時計をグラミー賞の場に着用し、HODINKEEのInstagramにこう投稿していた。“音楽界最大の夜にふさわしい時計……パテック フィリップ 5004A(ステンレススティール製) – JM”

A Patek 5004A
A Patek 5004A movement
パテックフィリップ Ref.5004A。Photos by Mark Kauzlarich

A Patek 5004A
 お気づきかもしれないが、ここにはパテック フィリップの象徴ともいえる、光沢のあるスクエアスケールのアリゲーターストラップは見当たらない。SS製ケースにふさわしく、シーランはよりカジュアルなブラックのラバーストラップを選んでいる。おそらくはステージ上でも着用できるようにとの配慮だろう。このストラップはデラグスのブラックラバーCTSストラップと思われる。このストラップをよりはっきり確認できるのが、シーランが3月15日にInstagramに投稿した1枚。ニューオーリンズの路上でザ・ソウル・レベルズと共演する様子だ。当時は、どんなに目の肥えたウォッチスポッターでさえ、この同じ時計の存在を見逃していた。

 エド・シーランは間違いなく、世界有数の著名な時計コレクターのひとりであり、2023年にジョン・メイヤーをホストに迎えて出演したTalking Watchesはこれまでで最も視聴された回のひとつとして知られている。しかし、彼が5004Aを所有していると世間が知ったのは、おそらく今回の表紙が初めてだったと言っていいだろう。それがまた実にクールである。だが驚くにはあたらないかもしれない。というのも、シーランは真の“時計好き”であることを、メイヤーとの動画や2022年のベンとの対談でもしっかりと証明していたからだ。

 シーランとHODINKEEの関係はそれだけにとどまらない。彼はこれまでに何度か本サイトに寄稿しており(こちらとこちら)、さらには我々とともにG-SHOCKの限定モデルをデザインしたこともある。彼が公の場に姿を現すたびに、ウォッチインスタグラム界はざわつくのだ。先月もその例に漏れず、シーランは『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン(原題:The Tonight Show Starring Jimmy Fallon)』の出演時、未発表だったIWCのブラックセラミック製インヂュニアを着用していた。

Ed Sheeran in TIME100 wearing an Arnold & Son
Photographs by Adrienne Raquel for TIME

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 TIME誌の別フォトシュートでは、シーランが彼にとって新たな1本と思われる時計を着用している姿も確認できる。アーノルド&サンのコンスタントフォース トゥールビヨン 11である。このモデルはジョン・アーノルド(John Arnold)の遺産260周年を記念して発表されたばかりの限定11本の新作だ。アーノルドは、イギリス時計史における最高峰の時計師のひとりとされており、ルイ=アブラアン・ブレゲ(Louis-Abraham Breguet)の同時代人であり友人でもあった。実際、ブレゲが製作した最初期のトゥールビヨンのひとつはジョン・アーノルドに捧げられている。

 シーランが選んだパテックは、どちらかといえばメインストリーム寄りのチョイスかもしれない。しかし今回、彼は世界で最も読まれている雑誌のひとつに、さりげなくブリティッシュウォッチメイキングの粋を忍ばせてみせた。現在のアーノルド&サンはスイスのラ・ジュー・ペレ社が所有しており、さらにそのラ・ジュー・ペレは日本のシチズン傘下にある。しかしながら、アーノルド&サンの時計づくりは、いまなお英国時計製造の伝統様式に則って行われている。いずれにしても、エド・シーランが“リアルワールド”の場で真に特別な時計を、彼ならではのスタイルで紹介してくれる姿を見るのはただただ素晴らしいことだ。

フレデリック・コンスタントから2025年の新作情報です。

真っ黒な42mmのPVDケースが印象的な、クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール グローブトロッター FC-718BAWM4TH6。

今年はクラシック ワールドタイマー マニュファクチュールの10周年で、特別なモデルが幾つかリリースされていますがこちらもその1つ。

300本限定で、まだ国内の案内はありませんが北米の価格が4,495ドルとなっています。

複雑機構のワールドタイムが約60万円で手に入るのも、フレデリック・コンスタントならでは。

ケースが3ピースの様ですが、PVD加工されたスティールと、チタンの組み合わせなのかな?それともチタンPVD加工のスティールケースなのかな?国内の正式な案内が出るまで待ちましょう。

そして、シースルーバックからキャリバーFC-718が覗けます。

38時間パワーリザーブ、50m防水。

FC-718BAWM4TH6

CLASSICS WORLDTIMER MANUFACTURE GLOBETROTTER
FC-718BAWM4TH6
$4,495.00

クラシック ワールドタイマー マニュファクチュール グローブトロッター
FC-718BAWM4TH6
$4,495.00

機能 時、分、秒、手で日付, ワールドタイマー
ムーブメント 自社製キャリバーFC-718、自動巻き、すべての機能はリューズで調整可能
ペルラージュ&サーキュラー・コート・ド・ジュネーヴ装飾
38時間パワーリザーブ、26石、28’800 alt/h
ケース ステンレススチール製3パーツケース、PVDチタンコーティング、サンドブラスト仕上げ
直径42mm、厚さ12.10mm
スクラッチレジスタント、反射防止加工を施したサファイアクリスタル
エングレービングとシースルーのケースバック
5気圧(50m/164フィート)防水
文字盤 ブラックダイアル、サンレイ仕上げ、世界地図のエンボス加工
アプライドシルバーのインデックスにホワイトの夜光塗料を塗布し、ホワイトの目盛りを表示
昼(白)夜(黒)表示の24時間ディスク 24空港コード付きブラックシティディスク
ホワイトの夜光塗料を塗布したハンドポリッシュ仕上げのブラックの時針と分針
ハンドポリッシュ仕上げのブラックの秒針
6時位置にブラックの日付カウンター、中央にサンレイ・ギョーシェ装飾
ハンドポリッシュ仕上げのブラックの針
ストラップ ブラックのアリゲーター・レザー・ストラップ
限定生産 300本限定生産
発売時期 12月

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モノトーンの世界地図も素敵です。

なかなか良さげだぞ。

フェラガモのウィメンズバッグ 「ハグ」や「ソフトバッグ」が秋の新色で登場!

ハグ ソフト バイカラー ワンショルダーバッグ (M) 396,000円
フェラガモのアイコンバッグ「ハグ」をワンハンドル仕様にアレンジした「ハグ ソフト バイカラー ワンショルダーバッグ」に、バーバリーコピーレモンカラーが仲間入り。内側にはモスグリーンのライニングを配した。金具とブランドロゴをシルバーで統一することで、凛とした佇まいのバッグに仕上げている。

フェラガモ ソフトバッグ(S) 319,000円
フェラガモ ソフトバッグ(S) 319,000円
また、2025年春夏シーズンに登場した「フェラガモ ソフトバッグ」は、大ぶりのギャザーと丸みのあるシルエットが魅力。今回は、モスグリーンを新たに展開する。深みのある色調がプリーツの陰影を際立たせ、よりエレガントな表情に。シックなゴールドのガンチーニモチーフをアクセントとして配した。

カリブ海や西アフリカ着想のプリントシャツ
グラフィックプリントシャツ 176,000円
グラフィックプリントシャツ 176,000円
モスグリーンのプリントシャツもラインナップ。カリブ海と西アフリカの文化にインスピレーションを得た鮮やかなグラフィックは、夏らしい開放感を漂わせる。

二つ折り財布がレモンカラーで
ガンチーニ二つ折り財布 62,700円
ガンチーニ二つ折り財布 62,700円
ガンチーニモチーフが目を惹く二つ折り財布には、落ち着いたレモングラスカラーが登場。幅広いシーンで活躍する上品なカラーリングが魅力だ。

【詳細】
フェラガモ25年プレフォールウィメンズコレクション
<アイテム例>
・フェラガモ ソフトバッグ(S) 319,000円
サイズ:H 18.0cm×W 27.0cm×D 11.0cm
・ハグ ソフト バイカラー ワンショルダーバッグ (M) 396,000円
サイズ:H 25.5cm×W 34.0cm×D 15.5cm
・ガンチーニ二つ折り財布 62,700円
・グラフィックプリントシャツ 176,000円

【問い合わせ先】
フェラガモ・ジャパン

シチズン 最新技術であるデュラテクト アンバーイエローの発表を振り返る。

無限に選択肢が広がり、デザインも多様化する世界のなかで、あるブランドが特定の素材に注力し、その分野で卓越した技術を示す姿には感銘を受けるものだ。先週、僕はある“石の塊”を見ながらそのことを思い出した。いや、ただの石ではない。実は地中から採掘されたスポンジチタンなのだ。僕はシチズンのイベントに参加していた。このブランドは55年前に世界初のチタニウム製腕時計を市場に投入し、いまもなおこの素晴らしい素材で時計製造を革新し続けている。その石はチェルシーのギャラリーに展示されていたこともあり、まるでアート作品のように見えたが、実際にはシチズンの時計ラインの基盤を成すものであり、ブランドの代名詞ともいえる存在なのだ。

オメガスーパーコピー時計 激安55周年を記念して、シチズンは“CITIZEN Super Titanium™: The Beauty of Time”と題した魅力的で情報豊富な展示会を開催した。僕はそこで、チタニウムが単なる“石”ではないことを、より深く知ることになった。

Titanium
展示されていたスポンジチタン。

歴史:時計製造におけるチタニウムウォッチの先駆者

シチズン エックスエイト(X-8) クロノメーター

シチズンは1970年にエックスエイト(X-8) クロノメーターを発表し、時計業界に革命をもたらした。これは世界初のチタニウム製腕時計である。モデル名の“X-8”には特別な意味が込められている。“X”は未知を表し、“8”は無限を象徴する(∞)。つまり、チタニウムの持つ無限の可能性を示唆しているのだ。

 シチズンはチタニウムが時計製造において定番の素材となるはるか以前から、その優れた耐腐食性と軽量性に着目していた。これらの特性は、かつては航空宇宙や医療分野でしか活用されていなかったものである。しかし、チタニウムには加工や研磨が難しいというそもそもの課題が存在した。それでもシチズンは粘り強く技術を磨き、先進的な表面硬化処理技術を開発し続けた。

attesa
シチズン アテッサ

 シチズンは時代とともに革新を続けてきた。1987年には、初代アテッサを発表。新たな加工技術を駆使し、チタンに柔らかかつメタリックな輝きを与えた。これにより、それまでのチタニウムウォッチの粗いマット仕上げとは一線を画す、エレガントなビジネスウォッチが誕生したのだ。

aspec
シチズン アスペック ワールドタイム

 2000年にはスーパーチタニウム™の時代が幕を開ける。ワールドタイム表示を備えたアスペック ワールドタイムは、シチズン独自の表面硬化技術デュラテクトで処理された最初のモデルである。この革新により誕生したスーパーチタニウム™は、デュラテクト技術によって強化された次世代素材として、業界の新たな基準を打ち立てた。スーパーチタニウム™はステンレススティールの5倍の硬度を持ち、40%も軽量で、優れた耐傷性と一日中快適に過ごせる装着感を実現している。

ecodrive
シチズン プロマスター エコ・ドライブ

 シチズンは2006年、プロマスター エコ・ドライブ電波時計でデュラテクトMRK+DLCの二重表面硬化技術を導入し、さらなる進化を遂げた。2016年には桜にインスパイアされたデュラテクト サクラピンクを発表し、2018年にはわずか3.53mmという驚異的な薄さを誇る エコ・ドライブ ワンをリリースした。そして革新は続き、2019年には新色であるゴールドカラーのデュラテクトMRK、2022年には再結晶チタンとユニークなデュラテクト DLC ブルーが登場。そして、現在へと至る。

現代におけるチタニウム技術の進化
チタニウム製の時計を作るだけでなく、それを駆動するムーブメントも自社製造するシチズン。しかし、シチズンの革新はそれだけではない。なんと、シチズンはチタニウムから時計を製造するための機械そのものも自社で製造しているのだ。この特別な素材に対するシチズンの情熱は、現代の時計業界におけるチタニウム製造をリードするまでに至っている。

Titanium, in a different form.
製造工程の一部として、円柱状に加工されたチタニウム素材。

 この革新について詳しく知るため、今回のイベントに参加するために日本から訪れた佐藤利磨氏に話を聞く機会を得た。彼はスーパーチタニウム™の新色開発を担当する人物であり、そのクリエイティブなプロセスについて多くを語ってくれた。アンティークやヴィンテージな美学に影響を受けた彼は、派手さや目立ちすぎるデザインではなく、あくまで機能美を重視したカラーを目指したという。その目標は見事に達成されており、デザインが機能に従うというシンプルな美学が貫かれている。

 展示会を巡り、佐藤氏との会話を通じて、シチズンの歴史におけるチタニウムの発展、特にデュラテクト アンバーイエローの開発プロセスについて理解を深めることができた。展示スペースには、時計の正確な色味を決定するために使われる約40種類のチタニウムのサンプルが並べられていた。それらは肉眼ではまったく同じに見えるが、顕微鏡で拡大すると細かな違いが確認できる。さらに驚くべきことに、4倍の拡大率で未処理のチタニウムを観察すると肉眼では滑らかに見えていた表面が傷だらけで不完全であることが明らかになった。シチズンの表面処理技術の高さを改めて実感する瞬間であった。

チタニウム製ケースの洗浄作業。

デュラテクト アンバーイエロー
シチズンの最新技術であるデュラテクト アンバーイエローは、暖かみがありながらも落ち着いたゴールドの色合いを持ち、あらゆる肌の色に調和。どんなシーンにもなじむ洗練された美しさを備えている。この革新の核となるのはシチズン独自の表面硬化技術、デュラテクトである。ベースとなるチタニウムに複数のコーティングを施すことで、金属の硬度と発色を強化し、従来のゴールドカラーとは一線を画す長期的に持続可能な色合いを実現している。シチズンは製造工程を徹底的に見直し、時を経ても色褪せない独自のゴールドの色調を完成させた。

 デュラテクト アンバーイエローは、ニオブとチタンの合金によって生み出されており、ニッケルを含まないためアレルギーを引き起こしにくい設計となっている。これにより、ニッケル、コバルト、クロムに敏感な人々にとっても最適な選択肢であるといえる。実際、これらの金属に敏感な反応を示してしまう人は全体の15%にものぼるとされている。この新素材は、シチズンが最近発表したアンバーイエロー xCで初めて採用された。

 チタニウムについて語るとき、その硬度を無視することはできない。デュラテクト アンバーイエローの硬度は1700〜2300 HVに達し、従来の金メッキと比較して10倍から20倍の硬さを誇る。これにより傷に対する耐性も飛躍的に向上し、シチズンのデュラテクトシリーズのなかでもトップクラスの硬度を実現している。耐久性だけでなく、この独自のカラーはさまざまなガスをチタンと組み合わせることで生み出され、機能性と普遍的な美しさを追求している。

 このアンバーイエローの名前の由来は、古代の木から化石化した樹脂である天然の琥珀(アンバー)に似ていることからきている。天然の琥珀が長年にわたり愛され続けてきたように、シチズンはデュラテクト アンバーイエローを採用したタイムピースもまた、時を超えて愛されるスタイルと職人技術の象徴となることを目指している。シチズンの現在のカラーバリエーションには、シルバー、ゴールド、ブラック、ブルー、ピンク、サクラピンクが存在し、アンバーイエローはそれに加わる新たな一色だとなる。

 新作のxCはケース径27mm、厚さ8.2mmで設計されている。光発電エコ・ドライブムーブメントを搭載し、もちろんスーパーチタニウム™製のケースである。このモデルは現在日本国内で発売されており、今夏にはマンハッタンのシチズン旗艦店でも限定数量で販売される予定だ。

Citizen Attesa Hakuto-R
チタニウムウォッチの最新形、シチズン アテッサ HAKUTO-Rモデル。

 これらの合金や特別なプロセスを見ると、僕はあの“石の塊”のことを思い出す。僕は地質学者ではないが、地中から掘り出された生のチタニウムは初めて地上に姿を現したころとほとんど変わっていないのではないかと感じる。チタニウムの人気と用途が拡大するなかで、シチズンは常にその先を行き、素材科学の限界を押し広げている。彼らが目指すのはより快適で、より多くの人々に届く、軽量で耐久性に優れた時計を生み出すことである。