ウブロ ビッグバン SAXEM™、透明ケースは実用に耐えるのか?2026年レビュー

ウブロ ビッグバン SAXEM™、透明ケースは実用に耐えるのか?2026年レビュー

2026年、ウブロが発表した ビッグバン SAXEM™ トランスペアレント は、
「透明性」というコンセプトを極限まで追求した一本だ。
ケース・ベゼル・裏蓋すべてが特殊素材 SAXEM™(サファイアアルミニウム酸化物複合体)で構成され、
内部の自社開発フライバッククロノグラフムーブメントが360度から見える。
だが、このような“ガラス細工”のような時計は、果たして日常使いに耐えられるのだろうか。
数週間にわたり実際に着用し、その美しさと実用性のバランスを探った。

SAXEM™ケースは、本当に割れにくいのか?

見た目はサファイアのように透明だが、ウブロによると SAXEM™は従来のサファイアより靭性が高く、衝撃に強いという。
実際、テーブルに軽くぶつけたり、ドアノブに引っかけたりしても、
目立つ傷やヒビは一切入らなかった。

ただし、完全に無敵というわけではない。
硬さは依然として非常に高いが、鋭角的な衝撃(例:床への落下)には注意が必要だ。
着脱時は必ず柔らかいマットの上で行い、保管時は専用ボックスに入れるのが望ましい。
これは「装飾品」としてではなく、「高級工具」として扱うべき一本だ。

Cal. UNICOムーブメントは、透明ケースの中でどう見えるのか?

最大の見どころは、ムーブメントが空中に浮いているように見える視覚効果だ。
SAXEM™の屈折率が金属部品に近いため、橋板や歯車の輪郭がぼやけず、
まるでホログラムのように鮮明に浮かび上がる。

特に印象的なのは、赤いフライバックレバーと青いコラムホイール。
クロノグラフを操作するたびに、内部機構が生きているかのように動く様子が楽しめる。
精度も日差±2秒以内と安定しており、COSC認証に匹敵する性能を持つ。
透明だからといって中身が簡略化されているわけではなく、本格派クロノグラフとして十分な実力がある。

42mmサイズは、どんな手首にも合うのか?

ケース径42mm、厚さ14.5mmと、ビッグバンとしては比較的コンパクトな設計だ。
重量は約110gと、ステンレスモデルより若干軽め。
実際の装着感は、手首の細い人でも違和感なく着けられるレベル。

ラバーストラップは柔軟性が高く、汗をかいても肌に張りつかない。
チタン製バックルは軽量かつ開閉が滑らかで、スーツの袖口にも引っかかりにくい。
意外なほどビジネスカジュアルから週末のカフェまで幅広く使えるのが特徴だ。

価格はいくらで、誰が買うべきなのか?

中国公定価格は¥198,000。
2026年1月の為替レート(1 CNY = 22.3 JPY)で換算すると、約441万5,000円となる。

この価格帯で手に入るものは何か——
それは「時間を知る道具」ではなく、「光と機構の彫刻」だ。
所有者は、単に時刻を確認するのではなく、
自分の腕元で機械が呼吸しているのを見る喜びを求めるべきだろう。

コレクター、現代アート愛好家、あるいは「時計とは何なのか?」を考える人にこそ、
このビッグバン SAXEM™は強く訴えかけるものがある。

結局、これは“使える時計”なのか?

答えは「状況による」だ。
雨天や屋外作業ではリスクが伴うため推奨できないが、
オフィス、会食、ギャラリー訪問、特別な日の装い——
そうした場面では、存在感と芸術性で周囲を圧倒する。

ウブロは今回、「透明であること」を単なるデザインではなく、哲学として提示した。
2026年、時計が“隠すもの”から“見せるもの”へと進化したことを、
この一本は静かに証明している。

冬の重いトーンを鮮やかに彩る、そんな「赤」に包まれた1本を。

冬の重いトーンを鮮やかに彩る、そんな「赤」に包まれた1本を。

冬は確かに「白と黒」の季節ですが、だからこそ、手首から覗く一筋の「赤」はとても効果的です。今回は、そんな冬の装いに彩りを添える、3つの異なる「赤」を持つ名だたるブランドのレディースウォッチをご紹介します。

1. カルティエ タンク Louis (WGTA0190)
**「深みのあるワインレッドが紡ぐ、大人の優雅さ」**
* **ケースサイズ**:33.7 x 25.5mm
* **素材**:18Kイエローゴールド[[source_group_web_1]]

もしも「優雅さ」を色で例えるなら、それはこのカルティエのタンクの色でしょう。派手な赤ではなく、**深みのあるワインレッド(酒紅)**が主張しすぎず、でも確かな存在感を放ちます。

18Kイエローゴールドのケースと、赤色のエナメル文字盤の組み合わせは、まさに「カルティエ・ロマンス」。文字盤にはインデックスがなく、ゴールドの剣形針が静かに時を刻みます。33.7mmの絶妙なサイズ感と6.6mmの薄さが、女性の手首にふんわりと寄り添う、そんな一品です[[source_group_web_2]]。

2. ショパール ハッピースポーツ (278602-6006)
**「ダイヤが泳ぐ、赤いパール母貝の楽しさ」**
* **ケースサイズ**:31.31 x 29mm
* **素材**:ステンレススチール / 18Kローズゴールド[[source_group_web_3]]

ショパールのハッピースポーツは、常に「楽しさ」を象徴しています。今回のモデルは、**明るい赤色のパール母貝(パールレッド)**を文字盤に使い、その上を7つのダイヤモンドが自由に跳ね回ります。

楕円形のケースが女性らしい柔らかさを演出し、18Kローズゴールドのベゼルとルビーが輝く王冠が、華やかさをプラス。ムーブメントはショパール自社製のCal.09.01-Cを搭載。赤いアリゲーターのストラップとのセットで、パーティーから日常まで、表情豊かに彩ってくれます[[source_group_web_4]]。

3. ジャガー・ルクルト レベルソ トリビュート (Q713256J)
**「ローズゴールドと赤の、知的なエレガンス」**
* **ケースサイズ**:45.6 x 27.4mm
* **素材**:18Kローズゴールド[[source_group_web_5]]

1931年の誕生以来、変わらぬフォルムを持つレベルソ。今回は、**18Kローズゴールド**のケースに、深紅の文字盤を配したモデルです。

長方形のケースが織りなすクラシックな美しさに、ウォームなゴールドカラーが加わることで、堅苦しさではなく「知的な気品」が生まれます。裏返すと、カルibre 822というムーブメントが見えるようになっていますが、この機械式の鼓動が、赤い文字盤の下で静かに息づいています。スポーティーな印象の多いレベルソですが、このカラーリングは女性が着けることで、逆に強いオーラを感じさせます[[source_group_web_6]]。

まとめ:3つの「赤」の比較
ブランド 色の特徴 シリーズ 傾ける想い
**カルティエ** 深みのあるワインレッド タンク Louis **「優雅さ」**Gold×Redの王道。

**ショパール** 華やかなパール母貝レッド ハッピースポーツ **「楽しさ」**ダイヤが泳ぐ動的美。

**JL (積家)** クラシックな深紅 レベルソ **「気品」**ローズゴールドとの調和。

冬の装いは地味になりがち。そんな時に、この3つの「赤」のいずれかが手首で光れば、自然と気持ちも華やぐはずです。

12年ぶりの大改定。オメガ「月の裏側」が全モデル進化、手巻き新機軸も登場

12年ぶりの大改定。オメガ「月の裏側」が全モデル進化、手巻き新機軸も登場
オメガ(OMEGA)のスピリットを体現するシリーズ、「スピードマスター」。その中でも、「フルセラミック(全陶)」という特殊な素材感で、独自の路線を歩んできた「ムーンウォッチ・ダークサイド・オブ・ザ・ムーン(以下、ダークサイド)」が、2013年の登場から約12年を経て、ついに大きな節目を迎えました。
今回のモデルチェンジは、単なるマイナーチェンジではなく、「ムーブメント(機芯)」と「ケース厚」の根本的な刷新です。
1. 核心:機芯は9900シリーズへ完全移行、手巻きモデルも新登場
今回の最大の見どころは、ラインナップ全体が「9900シリーズ」の高機能クロノグラフムーブメントへと換装された点です。
新旧比較: 従来モデルで使用されていた9300/9304機芯は、防磁性能が一般的な4,800A/m(約60ガウス)でした。しかし、新世代の9900/9908機芯へ換装されたことで、オメガ自慢の「15,000ガウス(約1.2テスラ)の耐磁性能」を全モデルが標準装備。
新星誕生: これまで自動巻きのみだった「ダークサイド」に、手巻きモデル(Ref. 311.92.44.30.01.001 / 俗称:月之暗面9908)」が新たに加わりました。
この手巻きモデルは、自動巻き機構(自動巻きローター)を省いた分、ケースの厚みを従来の約16mmから13mm台へと大幅にスリム化することに成功。装着時のフィット感が格段に向上しています。
2. 視認性と装飾性:全陶を極めた「黒」の美学
オメガの「ダークサイド」が他ブランドと一線を画すのは、その「セラミック含有率」です。
他のブランドがケースやベゼルにセラミックを使うのに対し、オメガはケース、ベゼル、リュウズ、プッシャー、文字盤、裏蓋に至るまで、すべてをセラミック(ジルコニア)で構成しています。
文字盤の秘密: 今回の新モデルでは、文字盤にも大きな変化がありました。従来はサファイアクリスタルにブラックコーティングを施すことが多かったですが、新モデルは「ZrO2(二酸化ジルコニウム)」の刻印があるように、文字盤そのものがセラミック製。
カラーリング: オメガの象徴である「赤針」が、黒一色の文字盤に鮮やかに映えます。特に手巻きモデルは、9時位置のスモールセコンドと3時位置の30分計/12時間計の「2眼式」構成で、視認性が非常に高く、かつ無駄のない美しさです。
3. 裏の顔:ムーブメント9908の実力
新登場の手巻きモデルに搭載された「Cal. 9908」は、9900機芯の手巻きバージョン。
構造: 自動巻き機構がなくなったことで、ムーブメントの遮蔽が少なくなり、裏蓋越しに見える「アラビア風グネーブストライプ」が美しい装飾性を誇ります。これは時計ファンの間で「オメガ版四分之三夾板」とも呼ばれるほど。
技術: 柱状輪(カラムホイール)と垂直離合(バーティカルクラッチ)を採用し、秒針のピッタリとしたスタートと、高い耐久性を両立。シリコン製遊丝を採用しているため、磁気や温度変化に極めて強い構造です。
スペック: 振動数28,800振動(4Hz)、パワーリザーブ60時間。
4. 総評:なぜ「月の裏側」は特別なのか?
今回フルモデルチェンジを果たした「ムーンウォッチ・ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」は、単なる「黒いスピードマスター」ではありません。
表格
比較項目 従来モデル (9300機芯) 新モデル (9900/9908機芯)
防磁性能 60 ガウス程度 15,000 ガウ”ス (至臻天文台認定)
ケース厚 約 16.14 mm (やや分厚い) 約 13.03 mm (大幅スリム化)
精度 COSC基準 ( -4〜+6秒) 0〜+5秒/日 (磁気無視精度)
結論:
約11万5,500円という価格は、他のスピードマスターモデルと比べると高価です。しかし、「フルセラミック」という素材感と、「15,000ガウス耐磁」という実用性能、そして手巻きモデルでの「13mm台の薄さ」を考えると、その価値は十分に正当化されます。
「派手なフルゴールドは苦手だけど、物凄く高級感があって、性能も最強の時計が欲しい」という方。まさに、そのニーズに応えるのが、この「月の裏側」の最新作です。

【極黒の誘惑】針・インデックスまで完全純黒の腕時計3選|「見える黒」ではなく「奥行きのある黒」に堕ちる

世の中の色をすべて混ぜ合わせると「黒」になるように、黒は単なる「無彩色」ではなく、すべての色を包含した「究極の色」です。
「クールさ」や「無骨さ」を求める時計ファンの間では、今なお「オールブラック」デザインは不滅の人気を誇ります。しかし、ただ真っ黒いだけでは「塗りつぶしたような安っぽさ」にしかなりません。
今回ご紹介するのは、「五彩斑斓的黑(ウーカイバンランデイヘイ)」、つまり「光の当たり方で無数の表情を見せる、奥行きある黒」を持つ、3つの名作です。
🌑 1. オメガ(OMEGA)スピードマスター “ムーンフェイズ” 310.92.44.51.01.005
~「黒磁器」の如き質感。宇宙の闇を極めた1本
スピードマスターと言えばシルバーですが、今回ご紹介するのは、まさに「月の裏側(ダークサイド)」を具現化した「ムーンフェイズ」のブラックセラミックモデル。
型番 310.92.44.51.01.005 は、文字盤だけでなく、ケース、ベゼル、そして針・時刻表示に至るまで完全に黒く染め上げられた、極めて稀少な存在です。
サイズ: 44.25mm × 厚さ 15.09mm
素材: モノブロックブラックセラミック
ムーブメント: Cal.9900(60時間動力)
なぜ「五彩斑斓」なのか?
このモデルの文字盤は、レーザー加工による微細な凹凸が光を乱反射させ、「漆黒」と「メタリック」の間を行き来する不思議な質感を持っています。
さらに、セラミックベゼルの測速計刻度は、「大明火(Grand Feu)」エナメルで焼成。真っ黒な文字盤の中で、唯一の「白さ」として際立っています。
針やインデックスには、ブラックSuper-LumiNova(スーパールミノバ)が充填されています。これは暗所で青白く発光し、まるで宇宙空間に浮かぶ星屑のよう。光のない場所でも、その「黒さ」を保ち続ける、極めてエレガントなディテールです。
✈️ 2. ベル&ロス(Bell & Ross)BR 03A PHANTOM
~ステalth戦闘機の如き「マットブラック」
次にご紹介するのは、航空機の計器盤を彷彿とさせるスクエアケースのベル&ロス。
BR03A-PH-CE/SRB(BR 03-94 Phantom)は、その名の通り「幻(Phantom)」、つまり「目に見えにくいが、確かに存在する」威嚇感を放つ時計です。
サイズ: 41mm × 厚さ 10.60mm
素材: マイクロブラスト加工ブラックセラミック
ムーブメント: BR-CAL.302(54時間動力)
なぜ「五彩斑斓」なのか?
この時計の最大の特徴は、「サビた鉄」のような質感を持つ「マイクロブラスト(微噴)」仕上げです。光を吸い込むようなマットブラックのケースは、決して「安っぽいプラスチック」には見えず、むしろ軍用機のハードコートを連想させます。
文字盤は、繊細な「縦糸目(スケルトン)」模様が施され、光を受ける角度でその表情を変化させます。
そして、このモデルは「視認性」を諦めていません。針とインデックスは、通常のルミノバではなく、C3グリーンのルミノバを採用。真っ黒な文字盤の中で、暗所では鮮やかな緑色の光が浮かび上がり、まるで戦闘機のコクピットのメーターのように緊張感を高めてくれます。
🐻 3. オリス(Oris)ダイバー 01 400 7794 4784
~「こだわりの黒」。120年の歴史が結晶化した1本
最後は、スイス機械式時計の「良心」オルバース。
2024年に発表された「ホルシュタイン限定モデル」は、1965年の初代ダイバーを復刻しつつ、現代のテクノロジーを注ぎ込んだ、「オールブラック」の貴重な1本です。
サイズ: 40mm
素材: DLCコーティングステンレス
ムーブメント: Cal.400(120時間動力)
なぜ「五彩斑斓」なのか?
オルバースは、時計業界で稀有な「動物愛護」の立場から、伝統的な「ホタル」を使ったルミノバではなく、独自開発の「BioTec(バイオテック)」ルミノバを使用しています。
このモデルでは、その「黒いルミノバ」を、伝統的な「65型(コットンキャンディー)針」にたっぷりと充填。文字盤上の数字、日付、そしてブランドロゴまでもが真っ黒に染められています。
光を受けると、40mmの小ぶりなケースから、「ビンテージ感」と「モダンなDLCコーティングの硬質さ」が共存する、複雑な表情を見せてくれます。裏蓋には、オルバースのシンボルである「くまのぬいぐるみ」が刻印され、ハードな佇まいの中にも温かみを感じさせる、愛すべき1本です。
📝 まとめ:あなたの「極黒」はどれ?
表格
モデル オメガ スピードマスター ベル&ロス BR 03 オリス ダイバー
キーワード 宇宙的漆黒 軍事的マット ビンテージ・バイオ
おすすめ用途 ビジネス、フォーマル カジュアル、アウトドア リゾート、日常
特徴 黒色セラミック マイクロブラスト DLCコーティング
「オメガ」は、「技術と格式」を追求する方へ。
「ベル&ロス」は、「前衛的なデザイン」と「存在感」を求める方へ。
「オリス」は、「歴史と個性」を大切にする方へ。
この3本は、どれも「真っ黒」であることに妥協していません。2025年、あなただけの「極黒」の一本を探してみてはいかがでしょうか。

出道20年、進化を遂げた「究極のツールウォッチ」:ベル & ロス BR-X3

2005年。ベル & ロスが初代「BR-01」を発表したその瞬間、あの「四角いケースに丸い文字盤、そして四つのネジ」というコンビネーションが、その後のブランドの運命を左右するアイデンティティとなるとは、誰も想像していなかったことでしょう。
BR-01は、航空機のコクピットにある計器盤を、文字通り腕時計に凝縮した存在でした。それから20年。時計は単なる「視認性」の道具ではなく、現代の装着習慣や審美眼にどうフィットするかが問われる時代です。今回登場した「BR-X3」は、まさにその20年間の集大成ともいえる、新たな次元のツールウォッチです。
誕生のストーリー:コクピットから宇宙へ
ベル & ロスの物語は1992年に始まりますが、BR-01の登場は航空計器の美学を腕元に再現するという、ブランドの原点を提示するものでした。その後、より日常的なサイズの「BR-03」を経て、さらに複雑な構造や現代的な素材を求めた「Xシリーズ」へと進化していきました。
「X」とは、実験的(Experimental)であり、未来志向(eXploration)であることを意味します。BR-X3は、このXシリーズの最先端技術を、定番であるBR-03のサイズ感と融合させた、ハイブリッドモデルなのです。
BR-X3 Black Titanium:航空宇宙への回帰
実物を手に取ったとき、まず目を引くのは「Black Titanium(ブラックチタニウム)」モデルです。
素材の選択: ケースには2級チタニウムを採用。表面はマイクロブラスト処理が施され、光を吸い込むようなマットな質感と、滑らかなタッチが特徴です。同じサイズのステンレススチールモデルと比べて、その軽さは一目瞭然。チタニウムは航空機やF1マシンにも使用される素材であり、強度と耐腐食性を兼ね備えているため、ツールウォッチとしての本質を追求した結果といえるでしょう。
三明治構造: BR-X5から継承されたこの構造は、頑丈な内殻をベースに、上下のケースやベゼルを4つの支柱で貫通固定するものです。これにより、複数の素材や色を組み合わせることが容易になり、視覚的な奥行きも生まれます。
視認性を極めた文字盤
BR-X3の文字盤は、3層構造によって構築されています。
デザイン: 下地はマットブラックの塗装。その上にX字型のメタルスケルトンが重ねられています。これは単なる装飾ではなく、文字盤の情報を明確にゾーニングするためのフレームです。
夜光性能: 時標や針には、白色のSuper-LumiNova® X1ルミエスセントがたっぷりと充填されています。これにより、暗所でも高い視認性を確保。外周の斜面状の分刻みも、視界の端まで文字盤を広げてくれる効果があります。
実用機能: 3時位置には大日付カレンダー、9時位置には動力貯蔵表示が配置されています。機械式時計の「生きてる感」を、すぐに確認できるよう配慮された設計です。
BR-X3 Blue Steel:未来への視界
一方、「Blue Steel(ブルースチール)」モデルは、全く異なる表情を見せてくれます。
カラーリング: ケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを組み合わせたステンレススチール。文字盤はブルーのサンレイ仕上げで、銀色のメタルフレームと鮮やかなコントラストを成しています。
インスピレーション: この青みがかった色調は、アポロ11号の宇宙服に使われていた青色の部品や、宇宙機器を連想させます。中層の陽極酸化アルミニウム製ベゼルリングもブルーに統一され、まるで未来の計器を覗いているかのような錯覚に陥ります。
中核を支えるBR-CAL.323
裏蓋にはスモークブルーのサファイアクリスタルが採用され、内部のムーブメントを垣間見ることができます。
機械式の鼓動: 搭載されるのはケニッシ(Kenissi)と共同開発した「BR-CAL.323」自動巻きムーブメントです。
性能: 振動数28,800振動/時間、動力貯蔵約70時間。スイス公式天文台(COSC)の認証を取得しており、精度と信頼性は折り紙付きです。
防水性能: 100m防水を備えているため、海辺でのホリデーシーズンや、日常の水仕事にも全く問題ありません。
まとめ:20年目の答え
2005年のBR-01は、「どうすれば時計が正確に見えるか」「どうすれば壊れないか」という、ツールウォッチの原点を問いました。
そして2025年のBR-X3は、そのDNAを受け継ぎながらも、現代の素材科学と製表技術を駆使し、「どうすれば今日の生活様式にフィットするか」という問いに答えています。
これは決して派手な変身ではなく、長年の経験から導き出された、確かな進化の1ページです。BR-X3は、ベル & ロスがこれからも「究極のツールウォッチメーカー」として、次なる20年を歩んでいくための、確かな足がかりとなるでしょう。