今年開催されるOnly Watchオークションのハイライトをいくつか紹介しよう。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン オープンワーク Only Watch エディション
まずはオーデマ ピゲからだ。フライング トゥールビヨン オープンワークは、ロイヤル オークにセラミックケース、そしてオープンワーク(スケルトン)ムーブメントという、APが得意とするいくつかの要素を取り入れたモデルである。今年のOnly Watchモデルは、41mmのケースにホワイトセラミックのブレスレットを備えたもので、メインプレートとブリッジを鮮やかなブルーで仕上げたオープンワークムーブメントの自社製Cal.2972を搭載している。またAPは、ホワイトゴールドでできたアワーマーカーと針のほか、22Kゴールドの自動巻きローターも同じブルーとロジウムの色調で彩るなど、この特別なロイヤル オークムーブメントの装飾をアピールしている。

エスティメート: 30万~35万スイスフラン(日本円で約4830万円~5635万円)

ブルガリ オクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティック マーブル
アルファベット順に62本のロットを見ていくと、次にブルガリがOnly Watchのためのスペシャルなオクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティック マーブルを製作したことがわかる。一般的な40mmのDLC処理されたチタン製ケースとブレスレットは、ヴェルデアルピのグリーンマーブルの層で覆われている(ケースの厚さはわずか0.5mm、ブレスレットの厚さは0.4mmだ)。もちろん、文字盤にも薄い緑色のマーブルの層がある。6時位置の大理石からは、世界で最も薄い手巻き式フライングトゥールビヨン、BVL268のフライングトゥールビヨンが見える。

ブルガリによると、この大理石はスイスと、ブルガリの故郷であるイタリアをアルプス山脈を通じて結ぶ自然の通り道、アオスタ渓谷で採れたものだという。この大理石はローマの宝石商と、記念碑や大理石の遺跡があるローマ帝国との歴史的なつながりを意味している。ローマといえば、このロットに当選すると“郷に入れば郷に従え!(when in Rome!)”ということわざにならうように、ローマにあるブルガリの最新ホテルに1泊できる権利も得られるとのこと。

F.P.ジュルヌ クロノメーター ブルー フルティフ
F.P.ジュルヌはいつもOnly Watchのために新しいムーブメントを製作している。そして今年も同様のことをした。今年は18Kローズゴールド製の新型手巻きCal.1522を搭載したクロノメーター ブルー フルティフである。パワーリザーブインジケーターとムーンフェイズがムーブメントの裏側に配され、シースルーバックを通してのみそれを見ることができる。

時計本体のサイズは42mmで、オールタンタルでできたケースとブレスレットが特徴だ。文字盤が真正面を向いていないと時刻が読みにくいことからこの名がついた。青いエナメルの文字盤には、光の反射でしか見えないフロスト加工を施した数字があり、“持ち主だけ”が楽しめるようになっている。

エスティメート: 20万~40万スイスフラン(日本円で約3220万円~6440万円)

ジェラルド・ジェンタ
ミシェル・ナバス(Michel Navas)氏とエンリコ・バルバジーニ(Enrico Barbasini)氏の指導の下、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンで復活を果たしたジェラルド・ジェンタブランドが、今回初めてOnly Watchに参加する。ディズニーの創業100周年と、ジェンタが自身の名を冠した時計を初めて製作してから50周年という節目に合わせて、ブランドはジェンタのシグネチャーである八角形ケースに入ったミニッツリピーター機能を搭載したミッキーマウスウォッチを発表した。シャンルヴェ・エナメルの文字盤には、片手にバースデーケーキを持ったミッキーマウスがエナメルで描かれている。これはディズニーの誕生日とOnly Watchの第10作目にちなんだものだ。

40mmのWG製ケースには、ラ・ファブリク・デュ・タンが開発した新型Cal.GG-001が収められている。復活したジェンタブランドによると、これはデザイナーがスケッチを描いていたものの実際には製作されなかった時計であり、ジェンタの特徴であるミニッツリピーターと、ミッキーマウスのアニメーションが描かれたレトログラードが初めて一体となった時計だという。

エスティメート: 35万~50万スイスフラン(日本円で約5635万円~8055万円)

タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド フォー
タグ・ホイヤーは今年のOnly Watchエディションにて、ブランド初となる機械式スプリットセコンドクロノグラフをおなじみのモナコケースに収めたモデルを発表した。通常のモナコケースとは異なり、テクスチャー加工を施したチタニウム製のケースも、タグがこのプロジェクトのために開発した新素材である。内部には自社製自動巻きスプリットセコンドCal.TH81-00を搭載。サファイア製のシースルーバックと、インダイヤルがチタン製のブリッジで吊り下げられているサファイア製ダイヤルの両方から鑑賞することができる。

ブルガリのOnly Watchと同様、このモナココレクションにも時計以外の権利が付属しており、落札者は2024年5月に開催されるモナコF1グランプリに、タグ・ホイヤーとともに招待されるという特典付きだ。

エスティメート: 15万~30万スイスフラン(日本円で約2415万円~4830万円)

チューダー プリンス クロノグラフ ワン
チューダーはいつもOnly Watchに現れる。2023年、ブランドは90年代のクラシックなビッグ ブロック チューダー クロノグラフを再解釈した18金無垢ケースに、新しいクロノグラフキャリバーを乗せたプリンス クロノグラフ ワンを発表。ブランドはコラムホイール、シリコン製ヒゲゼンマイ、約70時間のパワーリザーブを備えたこの新しいプロトタイプキャリバーにMT59XXと名付けた。

チューダーのほかのOnly Watchモデルと同様、その説明文はチューダー愛好家の熱狂的な夢のようであり、間違いなくこれは数十万スイスフランで販売されることになるだろう。チューダーのOnly Watchは数人の有名なコレクターが、ポケモンテーマの“みんなまとめてゲットだぜ(gotta-catch-‘em-all)”という激しい精神のように、ひとつひとつOnly Watchを奪い合うことで知られている。ここで掲載された微々たるエスティメートは、あなたや私のような謙虚なブラックベイ着用者を挑発するためだけのものなのだ。

エスティメート: 2万5000~3万5000スイスフラン(日本円で約405万円~565万円)

シルヴァン・ピノー Only Watch オリジン
シルヴァン・ピノーは、スイスでいま最も勢いのある独立時計師のひとりである。彼が手掛けたオリジンは2022年のGPHGでオロロジカル・レヴェレイション賞を受賞。そして今回のOnly Watch 2023のためにユニークオリジンを製作した。彼はオリジンを手に取り、ライトブルーとシルバーのツートーンカラーのギヨシェ文字盤を追加。これらをすべて40mmのスティール製ケースに収めた。このユニークな文字盤は、ピノーにインスピレーションを与えてきたトラディショナルな時計製造の要素を現代的にアレンジした時計に、クールでモダンな効果をもたらしながら、オリジンにしっくりとなじんでいる。

エスティメート: 7万~10万スイスフラン(日本円で約1130万円~1615万円)

ティファニー&リシャール・ミル ネックレスウォッチ
リシャール・ミル ネックレスウォッチ
最後に、ふたり一組となるリシャール・ミルとティファニーは、Only Watch 2023のために時計とネックレスをつくりあげた。リシャール・ミルは数世紀前にスイスで発見されたシャーマン教の遺物である、“タリスマン・オリジン”にちなんだRMS14を製作。このネックレスは、スイスのブリアウッド(ブライアという堅い木質の根から作られる木材)、ゴールド、チタン、ロードナイトのネックレスに、RMの特徴であるトノーをネックレスで通したものである。これのプレス資料は時計のリリースというより神秘的な呪文のように読めるが、ユニークなリシャール・ミルに何を期待するのだろう?

ティファニー ネックレスウォッチ
一方ティファニーはバード・オン・ア・ロックブローチを、Only Watch向けに再解釈して“バード・オン・ア・ロック・メカニカル・ペンダント・ウォッチ”として製作。(みんなも)私と同じようにティファニーのブローチのことをよく知らないかもしれないが、目を閉じて裕福な友人の祖母を思い浮かべてみると、そのおばあさんはおそらくバード・オン・ア・ロックをつけているだろう。文字盤だけでも461個のダイヤモンドがあしらわれており、時計というよりどちらかというと宝飾品である。しかし、その華麗な文字盤の下には手巻きムーブメントが搭載されているのだ。

リシャール・ミル / Lot 51。エスティメート: 60万~80万スイスフラン(日本円で約9660万円~1億2890万円)
ティファニー / Lot 56。エスティメート: 35万~50万スイスフラン(日本円で約5630万円~8055万円)

不明: パテック フィリップ&レジェップ・レジェピ
パテック フィリップやレジェップ・レジェピなど、いくつかのブランドは提供を予告するに留めている。

まずパテックからは、次のようなヒントが提供された。来たる11月のフィリップ・スターン(Philippe Stern)氏85歳の誕生日に向けて、ティエリー(Thierry)氏とパテック フィリップは、30本限定の腕時計を製作するとのことだ。“まったく新しいムーブメントを搭載した、お気に入りのグランドコンプリケーションです。このムーブメントはこのトリビュートウォッチのためだけに設計・製造されたもので、2度と使用されることはありません(Only Watch 2023より)”。この限定モデルの最初の時計はOnly Watchのデザインでまず生産され、11月5日にオークションにかけられる。

一方、独立時計師のレジェップ・レジェピ氏は、自身のOnly Watchモデルに“クロノメーター アンチマグネティック”という名称をつけた。彼によると、本作は自身の作品の特徴をすべて備えながらも、手仕上げのムーブメントを囲むファラデーケージ(外部の電界を遮蔽する導体でできた器)によって磁気から保護された時計になるという。文字盤もまた、ヴィンテージの“サイエンティフィックダイヤル”からインスピレーションを得ており、時計の目的である耐磁性をさりげなく表現している。

オークションで最も期待されるふたつの時計であることは間違いなく、詳細が発表され次第またお伝えしよう。

パテック フィリップ / Lot 44。エスティメート: 未定
レジェップ・レジェピ / Lot 50。エスティメート: 10万~15万スイスフラン(日本円で約1615万円~2415万円)

この最初のOnly Watch発表で取り上げるロットを10にしぼるのは骨が折れる。どのロットにも興味深いストーリーが隠されているからだ。ただ幸運なことに、これらの時計が11月のクリスティーズ・ジュネーブで発売される前に、少なくとも私たちはいくつかの詳細を11月までに見ることができる。メインイベントが近づくにつれ、さらに詳しく紹介していくので期待していて欲しい。

シリーズの第3シーズンとなる“Watches in the Wild: アメリカ時計大紀行”を公開した。

エピソード1では、ウォルサムに代表されるアメリカ時計製造の黎明期に注目し、ニューイングランド地方を取材した。しかし、それはほんの始まりに過ぎなかった。

今回お届けするエピソード2では、時計製造の聖地、ペンシルベニア州ランカスターとその周辺地域を取り上げた。まず冒頭では20世紀初頭のペンシルベニア州の中心地を走る列車に乗り、標準時確立の背景を紹介している。鉄道が懐中時計と呼ぶ小さな道具で時間を認識し、計測し、理解する方法において極めて重要な役割を果たしていた時代の物語だ。

そこから何を隠そう、アパート(住居)に改装されたハミルトンの旧工場を探検する。それにしてもふたつの巨大な時計塔を含め、この建物の歴史の大部分を維持管理している建物管理者には敬意を表したい。この建物周辺を歩いていると、今でも時を刻む音が聞こえてきそうだ。

この旅に深みを持たせるべく我々は全米古典時計協会(NAWCC)を訪れ、敷地内にある印象的な博物館とアーカイブのキュレーションツアーを体験することにした。

そしてアメリカの時計製造が今日まで息づいていることを証明するマイクロブランド、RGM ウォッチ(RGM Watches)の経営者であり、その名を冠したローランド・G・マーフィーという特別な人物を訪ねることですべてが締めくくられる。

これらすべてによって我々はアメリカ時計製造の物語に対する理解をさらに深めることとなったが、これで終わりではない。この最新作を見終えたら、次回のジェームズ・ステイシーとコール・ペニントンによる西海岸の旅に期待して欲しい。

初心者におすすめしたい最高のヴィンテージウォッチ。

時計コレクションにはさまざまなやり方がある。セイコー5のようなものから始める人もいれば、お金を貯めてすぐに沼にはまる人もいる。そんななか、我々がよく聞かれる質問のひとつに、“初めてのヴィンテージウォッチは何を買えばいいのか?”というのがある。これはなかなかに難しい質問だが、秀でた回答がたくさんあるのはいいことだろう。しかしベストな回答と言えるものは、いくつかの重要な基準に合致する。まずは、最初に買うヴィンテージウォッチは手頃な価格であること、またウォッチマニアの信頼を得ていて誰にでもそれを話したくなるものであること、そしてコレクションの拡充・進化に合わせて、誇りを持って身につけられるものがいいということ。今回は自身が理想とするファーストヴィンテージウォッチは何か、各エディターに選んでもらい、非常に優れた選択肢として用意してもらった。

カーラ・バレット – ロレックス デイトジャスト
カーラ・バレットがチョイスしたロレックス デイトジャスト
当然のことながら、わたしの初めてのヴィンテージウォッチはロレックス デイトジャストだ。なぜかって? ヴィンテージのロレックス デイトジャストほど身につけやすくて普遍的で、長く愛用できるものはないからだ。1960年代、70年代、80年代までの製造年や、ダイヤルの色、インデックスのレイアウトが異なる、素晴らしい個体を見つけることができる。わたしからのアドバイスは、オイスターブレスレット付きの1601がおすすめだということ。それを選べば、ホワイトゴールドでできたフルーテッドベゼルとインデックスという追加のボーナスも手に入る。この時計は36mmのケースサイズとデザインを備えたジェンダーニュートラルなものでもあり、わたしが選ぶレディスモデルのナンバーワンだ。確かに値段は高めだが(高額ではないヴィンテージウォッチを教えて欲しい)、自分自身へのご褒美にいかがだろう。

コンディションやダイヤルの色によって異なるが、おおよそ2000~3000ドル(現在の相場で約28万6000円~約42万9000円)。

ジョン・ビューズ – IWC Cal.89
私はここ5年ほど、ゴールド製IWC Cal.89を所有しており、今でも愛用して楽しんでいる。20世紀に誕生し、大衆向けの優れた手巻きムーブメントのひとつであったIWC Cal.89の名を冠したこのモデルは発表当時、入手しやすい量産型の腕時計だった。現在はステンレススティール製で1000ドル強(現在の相場で約14万3000円)、18Kのローズゴールド製だと3000ドル(現在の相場で約42万9000円)以下で手に入る。クロノメーターそのものはないが、かなり厳格な精度内で時間を刻むシンプルなムーブメントを載せた、シンプルな時計である。なかでもおしゃれで凝ったラグを使用した少し派手なバージョンを探して見て欲しい。

ゴールド製で約3000ドル(現在の相場で約42万9000円、SS製はそれ以下)。

ジャック・フォースター – オメガ 自社製30mmムーブメント スティール製
ジャック・フォースターがチョイスした スティール製のオメガ 自社製30mmムーブメント
これらの(30mm)ムーブメントは、これまでに製造された時刻表示のみの手巻きムーブメントのなかでも最高品質にあたるが、私の言葉を鵜呑みにする必要はない。またロジャー・スミス(Roger Smith)のお気に入りのムーブメントであり、時計職人の立場からすれば夢のようなものだとも彼は語っている。私はロジャー・スミスではないし、これからもそうなるつもりはないが、かつて趣味レベルで時計づくりをしていたことがあり、そのときに30mmムーブメントを扱ったことがある。30T2RG、30T2RGSC(センターセコンド)、Cal.266を含む、30mm径のムーブメントは実際にほとんど自分で組み立てることができるようで、定期的にケアをすれば基本的には永遠に使用ができる。唯一の注意点は、オリジナルの状態でいいものを見つけるにはある程度探索しなければいけないということだ(特にケースは耐湿性があったわけではなく、リダンダイヤルだったり、磨きすぎて瘦せたケースも数多く出回っている)。ただ少しでも探し回れば、現代における時計製造の偉大な、そしてまだ手頃な古典的作品のひとつを手に入れることができるはずだ。

コンディションによって異なるが、おおよそ1000~2000ドル(現在の相場で約14万3000円~約28万6000円)。

ジェームズ・ステイシー – スキンダイバー
ジェームズ・ステイシーがチョイスしたスキンダイバー
明らかにこれは特定のモデルというより時計ジャンルのうちのひとつだが、それでも少し我慢してお付き合いを。“スキンダイバー”とは、60年代のスキューバダイビングブームのなか、より安価でカジュアルな代替案として開発された、身につけやすいダイバーズウォッチという位置づけだ。薄くて傾斜が設けられた約38mmのSSケースに角張ったラグ、フラットなフロントシェイプなどが特徴で、これらのケースはスクワーレ(Squale)やEPSA社などの少数の企業によって生みだされた。多種多様なブランドから発売され、僕のシルヴァーナ(写真) のようにあまり注目されないものから、アクアスター ディープスターのように信じられないほど聖杯にふさわしいものもある。いずれにせよ、スキンダイバーのケースは重要なポイントであり、快適さ、プロポーション、カジュアルでスポーティな魅力を与えてくれる。NATOストラップと相性がいいが、ヴィンテージのトロピックラバーであればもっと相性がいい。スキンダイバーはヴィンテージウォッチワールドに入るための完璧な入門機である。

ブランドによって異なるが、約600ドル(現在の相場で約8万6000円)から。

スティーブン・プルビレント – ユニバーサル・ジュネーブ ポールルーター デイト
スティーブン・プルビレンがチョイスしたユニバーサル・ジュネーブ ポールルーター デイト
 これは個人的な感情によるものです。僕は大学院を卒業する頃、卒業祝いにヴィンテージウォッチを手に入れたいと考えていました。ほかならぬジェラルド・ジェンタがデザインしたスペシャルなものが、比較的手ごろな金額(ええ、そのあと少し値上がりしてしまいました)で手に入るとわかったとき、とても納得しました。さらにこの時計が、実はジェンタが学校を卒業して最初にデザインした時計であると知ったとき、もっとこの時計が魅力的なものに映りました。それから6年経った今でも、僕はこの時計を毎週のように身につけており、初めて買ったときよりもずっと愛着が湧いています。またこの時計は尊敬する高名なコレクターたちから多くの称賛を得て、その来歴に恥じないよう、できる限りのことを学ぼうと励まされた時計でもあります。ヴィンテージゲームに興味のある方には、ぜひおすすめしたいです。

ロレックスのジュビリーブレスはダサい?真相と魅力を徹底解説

ロレックスの代表的なブレスレットである「ジュビリーブレス」は、ネット上で「ダサい」「古臭い」といった声が聞かれることがあります。特にデザインの好みや世代による印象の違い、現代のトレンドとの調和などから、購入を検討する際に不安を感じる人も多いでしょう。

この記事では、ジュビリーブレスが「ダサい」と言われる理由を客観的に分析しつつ、実際の魅力や価値を詳しく解説します。また、向いている人の特徴や判断基準も紹介するので、自分に合った腕時計選びの参考にしてください。

ジュビリーブレスとは?
ジュビリーブレスは、ロレックスが誇る伝統的なブレスレットの1つです。華やかで上品な外観と優れた装着感で、長年多くの愛用者に支持されています。まずは、ジュビリーブレスの歴史的背景やデザインの特徴を詳しく見ていきましょう。

ジュビリーブレスの誕生と歴史
ジュビリーブレスは、1945年にロレックスのデイトジャストと同時に誕生しました。この年は、ロレックスの創業者ハンス・ウィルスドルフが会社設立から40周年を迎える節目の年でもあり、「ジュビリー(祝祭)」という名前には、この記念すべき年への想いが込められています。

当初は、デイトジャストの発表に合わせて開発された特別なブレスレットでしたが、その快適な装着感と美しいデザインが高く評価され、現在では複数のロレックスモデルで採用される定番ブレスレットとなっています。80年近い歴史を持つジュビリーブレスは、ロレックスの技術革新と美意識を象徴する存在として位置づけられています。

デザインの特徴
ジュビリーブレスの最大の特徴は、5列のリンクで構成された独特な構造にあります。中央の3列は幅の狭いリンクで、両端の2列はやや幅広のリンクが使用されており、この組み合わせが美しいコントラストを生み出しています。

各リンクは精密に加工されており、光の反射によって華やかな輝きを放つのも特徴的です。表面は滑らかに仕上げられているため、光沢が美しく、フォーマルなシーンでも腕元を上品に演出してくれます。また、5列構造により手首のカーブに柔軟にフィットし、自然な装着感を実現しています。

オイスターブレスとの違い
ロレックスのもう1つの代表的なブレスレットであるオイスターブレスと比較すると、デザイン面での違いが明確になります。オイスターブレスは3列のリンクで構成され、よりシンプルでスポーティーな印象を与えるのに対し、ジュビリーブレスは5列構造による華やかさが際立ちます。

装着感においても違いがあり、オイスターブレスは堅牢で安定感のある着け心地が特徴ですが、ジュビリーブレスはより柔軟性があり、手首の動きに自然に追従します。また、フォーマルな場面での使用を考えると、ジュビリーブレスのほうが上品で洗練された印象を与えやすいとされています。

ジュビリーブレスがダサいと言われる理由
ジュビリーブレスはロレックスの伝統的なブレスレットであり、多くのファンに愛されてきました。しかし一方で、ネット上や一部の人の間では「ダサい」という意見も見受けられます。ここでは、ジュビリーブレスがダサいと言われる背景や理由を整理して解説します。

クラシックすぎるデザインが古臭く見える
ジュビリーブレスは、細かいコマが連なる華やかなデザインが特徴です。このクラシックな雰囲気が、シンプル・ミニマルなデザインを好む人には「古臭い」と感じられることがあります。

特に現代のファッションでは、装飾を抑えたすっきりとしたデザインが好まれる傾向にあり、ジュビリーブレスの華やかさが時代遅れに映ることがあるようです。80年近い歴史を持つデザインであるため、伝統的すぎて新鮮さに欠けると感じる人もいるでしょう。

おじさんっぽいという世代的な印象がある
ジュビリーブレスは、デイトジャストなど、長年スーツスタイルで愛用されてきたモデルに多く使われてきました。そのため、若い世代には「年配男性の時計」というイメージが定着しているケースがあります。

おじさんっぽいという印象は、バブル期からその後の時代にかけて、ビジネスマンの間でジュビリーブレス仕様のデイトジャストが広く愛用されていたことが影響しています。そのため、「父親世代の時計」というイメージを抱く若年層も少なくありません。世代間のファッション感覚の違いが、このような印象の差を生んでいると考えられます。

ファッションやシーンによって浮いてしまう
ジュビリーブレスには華やかな光沢や細かい装飾があるため、カジュアルなファッションと合わせると悪目立ちすることがあります。特にストリート系やスポーティーな服装では、ジュビリーブレスの雰囲気とミスマッチに感じる人もいます。

デニムやTシャツなどのラフなスタイルには、オイスターブレスのほうがしっくりくることが多く、ジュビリーブレスの上品さが逆に場違いに見える場合があります。アウトドアやスポーツシーンでも同様で、機能的でシンプルなデザインが求められる環境では、ジュビリーブレスの装飾性が邪魔に感じられることもあるでしょう。

現代のトレンドとのギャップがある
現代の腕時計は、オイスターブレスやラバーストラップなどのスポーティーかつラグジュアリーなデザインがトレンドとなっています。その中で、ジュビリーブレスはクラシカルすぎて流行から外れているように見られることがあります。

近年は、スポーツウォッチをフォーマルシーンでも着用するスタイルが定着しており、ロレックスの中でもサブマリーナやデイトナなどのスポーツモデルの人気が高まっています。このような背景から、よりドレッシーなジュビリーブレスが時代の流れから取り残されているような印象を与える場合があります。

SNSや口コミでのネガティブ評価の影響
ジュビリーブレスは、実際には愛用者も多いものの、SNSや掲示板で「ダサい」という声が拡散されやすいのも事実です。客観的な理由というよりは、印象の偏りやネットの評判によってネガティブなイメージが強調される傾向があります。

特に匿名性の高いネット環境では、極端な意見が注目を集めやすく、ダサいというキャッチーな表現が1人歩きすることがあります。実際の市場での人気や販売実績とは必ずしも一致しない評価が形成される場合もあり、ネット上の意見だけで判断することの危険性を示す例でもあります。
実際はどう?ジュビリーブレスの魅力
「ジュビリーブレスはダサい」という声がある一方で、実際に長年愛され続けているのには確かな理由があります。ここでは、実際にジュビリーブレスを選ぶ人たちが感じている魅力を整理して紹介します。

快適な装着感
ジュビリーブレスは、細かい5連のコマで構成されており、手首にしなやかにフィットします。長時間つけても疲れにくく、動きに合わせて自然に馴染むという点から「最も快適なロレックスのブレス」と評価する声も多く聞かれます。

この快適さは、5列構造による柔軟性と、各リンクの精密な加工技術によって実現されています。手首の細かな動きにも追従するため、デスクワークなどで長時間着用する場合でも、ストレスを感じにくい設計となっています。また、金属特有の冷たさも、肌との接触面積が分散されることで軽減される効果もあります。

上品で華やかな伝統あるデザイン
ジュビリーブレスは、中央リンクの輝きと繊細な造りにより、オイスターブレスにはない華やかさを演出できます。特にスーツやドレススタイルでは、ジュビリーブレスが腕元を上品に引き立ててくれます。

また、流行の影響を受けにくく、クラシックウォッチの王道デザインとして時代を超えて支持されています。80年近い歴史の中で培われた美意識は、単なる装飾性を超えた品格を感じさせ、所有者の洗練された印象を演出する効果があります。フォーマルな場面での存在感は、他のブレスレットでは代替できない魅力といえるでしょう。

耐久性と機能性が高い
ロレックス独自の高精度な製造技術により、ジュビリーブレスも非常に堅牢に作られています。長期間使用しても型崩れしにくく、高い耐食性を持つ素材を使用するという実用性の高さは、見た目以上の信頼感を支えています。

5列という複雑な構造にも関わらず、各接続部分は精密に作られており、日常的な使用での不具合はほとんど報告されていません。また、ステンレススチールの品質も非常に高く、適切なメンテナンスを行えば数十年間の使用にも耐える設計となっています。美しさと実用性を両立させた設計思想は、ロレックスの技術力の高さを物語っています。

リセールバリューが高い
中古市場においてもジュビリーブレス仕様のモデルは安定した人気があります。ダサいという声があっても、実際の需要が高いため資産価値を損なうことは少なく、長期的な所有にも安心感があります。

特にデイトジャストのジュビリーブレス仕様は、中古市場でも高い評価を維持しており、適正な価格での売却が期待できます。これは、実際の愛用者が多く、継続的な需要があることを示しています。投資的な観点からも、ジュビリーブレスは価値を保ちやすい選択肢として評価されています。

ジュビリーブレスが採用されている人気モデル
ジュビリーブレスは、ロレックスを代表するブレスレットの1つとして、数多くの人気モデルに採用されています。ここでは、特に代表的なモデルを紹介します。

デイトジャスト

デイトジャストは、最もジュビリーブレスを象徴するモデルです。1945年の初代デイトジャスト誕生と同時に登場したのがジュビリーブレスであり、この組み合わせはロレックス史上最も長い歴史を持つ組み合わせの1つといえます。

クラシカルで上品なデザインがデイトジャストと絶妙にマッチし、現在でも最も一般的な組み合わせとして知られています。36mmから41mmまで各サイズでジュビリーブレス仕様が用意されており、男女問わず幅広い層に愛用されています。特にスーツスタイルとの相性は抜群で、ビジネスシーンでの定番として確固たる地位を築いています。

オメガ(OMEGA)のラインナップに夏にぴったりな7モデル11型の新作が加わった。

シーマスターの7モデルを横断する、オメガによるサマーコレクション。
シースター サマーブルー コレクションと銘打たれた今回のコレクションは、シーマスター アクアテラから地球の最深部に到達した時計として話題をさらったシーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープまでシリーズを幅広くカバーするもので、その名の通りどのモデルにもブルーを基調としたカラーリングが施されている。ただおもしろいことに、オメガは7モデルすべてを画一的なブルーで染めることはせず、それぞれの耐水性能に合わせたトーンで表現してみせた。例えば150m防水のシーマスター アクアテラは太陽光できらめく浅海を表現したような淡いブルー、対して6000m防水のシーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープでは深海を思わせる漆黒に近い濃紺をあしらっている。実際に防水性能順に並べてみればそのグラデーションは見事で、サマーブルーというくくりのなかでも7種7様の個性が感じられる。ブランドン・メナンシオによるレビュー動画もあるので、ぜひチェックして欲しい。
オメガ シーマスター アクアテラ シェード
私が選んだシーマスターは、38mmのシーマスター アクアテラ 150Mだ。まず伝えておきたいのだが、私の手首回りは12.5cmしかない(調べてみたら女性の手首の平均サイズは15cmだった)。この時点で、自分が快適につけられる時計の選択肢が限られてくるのはおわかりいただけるだろう。今夏に登場した11本のサマーブルー シーマスターも、43mmのワールドタイマーは腕からはみ出してしまうし、45mmオーバーのプロプロフとウルトラディープはつけるなんてもってのほかだ(つけてみたいんだけどね)。だから本音を言うと最初は、11本の中で38mmのアクアテラがいちばん小さいからという理由だけでチョイスした。そして編集部にすべての時計が届いて、いざ腕につけてみると、とてもしっくりなじんでいることに驚いた。
一般的な38mmのモデルは、つけられないこともないのだが、重くて腕が疲れてしまう。なにより時計によっては、ラグが腕からはみ出してしまい、少々不格好な見た目になってしまう。ただアクアテラのリストショットを見てみて欲しいのだが、違和感はないだろう。このつけ心地のよさはどこからきているのかと時計を観察したとき、秘密はブレスレットに隠されていると思った。
3連からなるラウンドリンクの中ゴマはポリッシュ、両サイドはブラシ仕上げで、一見非常にシンプルなブレスレットだ。ただコマをつなぐバネがよく曲がるのか、腕につけるとぴったりと吸い付くようにフィットした。それと、コマがひとつひとつ丸みのあるデザインになっているのも関係しているだろう(ブランドンがつけていたアクアテラとも少し違う)。シームレスなそのブレスレットのおかげで、とても自然につけることができたのだ。
ほかにも気に入ったポイントとしては、同コレクションのメインテーマであるダイヤルカラーだ。ライトブルーの色味と上品な光沢感を放つサンブラッシュ仕上げの相性がよく、女性代表として言っていいか定かではないが、この柔らかい雰囲気を放つ文字盤はきっと女性は好きだと思う。また、ほかのシーマスターはアラビア数字マーカーだったり、日付が3時位置にあったり、ふたつあるリューズのうちのひとつが10時位置にあったりなど、左右非対称な見た目のものが多い。そんななか、アクアテラは6時位置に日付があって、さらにベゼルもシームレスなもので目盛りもなく、デザインがシンメトリーになっているのがいい。
オメガ公式サイトは、この青いシーマスター アクアテラのことを“海のためのスタイリッシュな時計”とうたっている。まさにこのスタイリッシュという言葉以上に形容のしようがない。それほど時計全体をとおして洗練されている。文字盤、ブレスレット、どれをとっても私の目に魅力的に映るのだ。
着用したとき、いつものごとくブレスレットが余ってしまったが、うれしいことに外せるコマの数が15個(そう15個も!)もあったので、もし手に入れた際はこのコマをすべて外してもっと快適につけたいと思う。
オメガ シーマスター アクアテラ ワールドタイマー
僕が今回のコレクションで一番気に入ったのは、このシーマスター アクアテラ 150M コーアクシャル マスター クロノメーター GMT ワールドタイマーです(以降、シーマスター アクアテラ ワールドタイマー)。個人的にふたつ以上の国の時刻を表示できる時計が大好きだからというのもありますが、純粋に最も魅力的なルックスを備えていると感じたからです。
シーマスター アクアテラ ワールドタイマーは、オメガ初のワールドタイマーウォッチとして、2018年にプラチナケースを備えた87本の限定モデルで発表されました。その後、2020年に濃いブルーのダイヤルを備えたスティールとホワイトダイヤルのセドナゴールドケースの2モデルが通常ラインナップとして登場。2023年5月にはグリーンダイヤルを備えたスティールモデルとブラックダイヤルが印象的なチタンケースモデルがリリースされました。シーマスターコレクションのなかでも見落とされがちなモデルのひとつで、その存在を知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
本作のダイヤルは、サマーブルーカラーを纏ったサンブラッシュ仕上げが施され、船のデッキを連想させるチークパターンが印象的です。センターには、昼夜をわける24時間表示のガラスリングが配され、さらにその中央にはオメガがスピードマスターとともに宇宙から眺めてきたであろう地球の姿が、グレード5チタン製のプレートにレーザー加工によって描き出されています。
ダイヤルの外周には、シルバーカラーで印字された世界中の都市名が並びます。これまでのシーマスター アクアテラ ワールドタイマーと同様に中央ヨーロッパ標準時に採用されたのは、オメガと親会社であるスウォッチ・グループの本社が置かれているスイスのビエンヌ(ドイツ語圏ではビール)。
ケース径43mm、厚さ14.3mmでラグ・トゥ・ラグの全長が50.3mmとかなりの存在感があり、僕の15.5cmの手首には少々大きいですが、そのぶんこの美しいダイヤルを存分に楽しむことができるともいえます。内部には、Cal.8938を搭載。約60時間のパワーリザーブ と1万5000ガウスの高い耐磁性能を誇るコーアクシャルムーブメントです。なお、ワールドタイマーの方式は、24時間で外周が一周するリングの数字と各国主要都市名を対応させたルイ・コティエ式ではなく、固定式の24都市のリングと1時間送りでクイックセットする時針を備えたものとなります。
ワールドタイマーというクラシックな複雑機構の時計にはドレッシーなスタイルが多いですが、オメガはスポーティなシーマスターコレクションのパッケージでとても魅力的なパッケージにまとめ上げています。そのシーマスター アクアテラ ワールドタイマーに爽やかなサマーブルーのカラーリングを採用したことで、より軽やかな印象になり、軽快感のあるアクティブな印象に仕上がっていて、特に暑い日差しの夏に海外でバケーションを過ごすならぜひ連れていきたい1本になっていると思います。
オメガ シーマスター 300
僕にとって、オメガのシーマスター 300はシーマスターシリーズのなかでもちょっと気になる存在だ。その理由のひとつが、初代シーマスター 300がスピードマスター、レイルマスターと同年に生まれたプロフェッショナルウォッチ三部作のうちの1本であるということ。どうも僕はわかりやすい蘊蓄やストーリーにふらふらと引き寄せられてしまう傾向にあり、特に2015年にジェームズ・ボンド着用の時計を再現したという触れ込みの“スペクター”限定モデルのシーマスター 300が出たときには真剣に手持ちの時計の売却を検討した(すぐにプレミアがついてしまい、買えなかったのだけれど)。そしてもうひとつの理由が、シーマスター 300がそんな初代の空気を守り続けていることだ。2014年の復活から今に至るまで、オメガはオールドラジウム調のインデックスや初代を思わせる形状のブレスを大きく変えておらず、モデルによっては今なおアルミニウムベゼルを採用している。シーマスターのほかのモデルがプロユースのスペックを追い求めるなか、ヴィンテージのムードを表現するダイバーズ、それが僕のなかのシーマスター 300だった。だからこそ、今回の新作は僕の目にとても新鮮に映ったのだ。
このサマーブルー コレクションが、個人的にアリかナシか。率直に言うと、“アリ”だ。確かにシーマスター 300のヴィンテージ顔には強く惹かれていたし、ブラックダイヤルとフェイクパティーナのコントラストは大好物だ。しかし一方で、(タキシードでつけこなすボンドは別として)TPOによってはマッチしないことがあったのも事実である。そういった意味で、大きく趣向を変えた選択肢が加わったのは歓迎すべきことだと思う。
アーカイブを模したオールドラジウム調のインデックスと針は、ライトブルーの夜光塗料に置き換えられた。通常モデルではアルミニウムのベゼルもセラミックのインサートとリキッドメタルに変更され、ひとたび屋外に連れ出せばきらきらと透明感のある輝きを放つ。過去にもブルーダイヤルのダイヤルやセラミックベゼルの採用は見られたものの、新作シーマスター 300はすべてをブルーで統一したことで段違いに洗練された顔立ちに仕上がっている。実際に腕に巻いてみるとカジュアルさはグッと抑えられていることがわかり、特に同じブルーのシャツやジャケットと合わせた際には、ダイバーズウォッチながらドレッシーさにも寄与してくれそうだ。この新作に対し、従来のシーマスター 300とは別物のようなモダンさを覚えた。
一方で、どこか控えめにまとまっているのは個人的にうれしい点だ。シーマスター 300の特徴である最小限にまとめられたダイヤルの文字要素や、どこかかわいらしくもあるオープンデザインのアラビア数字は、グレーがかったダイヤルのグラデーションと調和していて主張は抑えめである。ブランドロゴを植字にしなかったのも好ましい。正直視認性は犠牲になっているが、少しグレーがかったブルーの色みやマット質感の仕上げと相まって落ち着いた印象を生んでいる。上のアクアテラ シェードやワールドタイマーほど華やかな印象はないが、これまでのシーマスター 300と比較してもっとも幅広いシーンで活躍してくれる1本に仕上がったと思う。
ただ一点、ブレスについては悩んでいる。今回、シーマスター ダイバー300Mなどではブレスに改善が見られた。アーカイブにのっとるのももちろん重要だが、サマーブルー シーマスター 300のブレスについても、本体に対してもう少し厚みを出してくれると腕にしっくりきたかもしれない。皆さんの意見は、どうだろうか?