スイス製ムーブメントを搭載し、洗練されたデザインを持つ時計だ。

M.A.D. エディションズがカルト的な人気を誇るM.A.D.1の第5弾を発表した8月27日は、手ごろでアバンギャルドな時計を愛する人々にとって素晴らしい日になったことだろう。今回はこれまでで最大のアップデートが施されている。2021年6月、MB&Fの創設者であるマクシミリアン・ブッサー(Maximilian Büsser)氏がサプライヤーやコレクターコミュニティに比較的手に取りやすい価格の時計をメールで共有したことから始まったこのモデルは、過去3年間で4つのバリエーションを生み出してきた。M.A.D.1は手首を回転させることなくサイドから時刻を読めるようにした時計であり、これまではケースの縁部分を回転するふたつのバレルで時と分を表示したものである。時計のトップには円を描きながら高速で回転する片方向巻き上げ式のローターブレードがあり、それが大きな視覚効果を生み出していた。この時計はこれまでに何度もカラーチェンジを繰り返してきたが、毎回魅力的なモデルに仕上がっていた。

M.A.D.1.S.
さて、このM.A.D.1Sはジムで鍛えたかのように少しスリムになったようだ。新しいリリースではマックス・ブッサー氏の手により、直径42mmに厚さ15mmと前モデルに比べて20%ほど薄くなった。また初めてスイス製ムーブメント(従来の日本製ミヨタ821Aではなく、改良されたラ・ジュー・ペレのG101)を搭載している。さらに厚さを削減するために、人気のオメガ スーパーコピー代引き専門店アワーディスクの回転だけで時刻を知らせるシンプルなシングルバレルでの表示が採用された。ラグも細くなり、上から見ても横から見ても以前ほど威圧的な印象を与えない。

M.A.D.1.S.
M.A.D.1Sは限定モデルではないが、今回のロットでは一般販売分として一定数のみが生産される。M.A.D.1Sの一部にはパープルのアクセントがあるモデルがあり、これはMB&Fのサプライヤーや既存の顧客にのみ提供される予定だ。その他のモデルにはアイスブルーのアクセントが施され、過去のリリースと同様に1500本が抽選で割り当てられる。ただし将来的に追加生産が行われる可能性もある。その抽選はシステムの不正操作やボットの使用がないよう監視され、独立した執行官によって監視されるため、誰もが公平なチャンスを得ることが可能だ。価格は2900スイスフラン(日本円で約50万円)で、抽選へのエントリー期間は8月27日(水)から9月2日(月)までとなっている。

M.A.D.1.S.
我々の考え
さあ友よ、待ちに待ったこの瞬間がやってきた。今回は本当に興奮している。M.A.D.1は以前から私のレーダーに引っかかっていた。私はマックス・ブッサー氏とMB&Fの大ファンだが、その価格帯から彼の時計デザインの粋を体感することはまずありえないと思っていた。だからこそM.A.D.1は特別なのである。多くの人々が突然、手首の上でブッサー氏の創造性に触れるチャンスを得ることができたのだ。しかし、同じように考えたのは私だけではなかった。

最初のM.A.D.1では1500本の時計に対して1万9000人の応募があった。2回目のリリースでは、同じ本数に対して2万2000人が殺到した。さらにこの時計は手ごろな価格帯の時計に贈られるGPHGチャレンジ賞も受賞している。そして(あなた方の多くと同様に)私も以前その抽選には外れてしまった。しかしこの新しいモデルを見ると、(もし今回当たるのならば)これまでの待ち時間には価値があったように思える。

M.A.D.1.S.
これまでは、抽選に外れても比較的平気だった。これは最大級に奇抜な時計であり、比較的手ごろな価格とはいえ厚さ18.8mmの時計をどれほどの頻度でつけるかは疑問に感じていたからだ。運の悪さをごまかすために、「この値段なら、もっと身につける可能性が高い時計があるはずだ」と自分に言い聞かせたりもした。しかし今作では時計がスリムになり、写真で判断する限り3.8mmの数値以上に薄く見える。確かにより正確に時間を把握するための分表示のトラックがなくなったため、精度が若干犠牲になっているが、これは精度が重要なポイントとなる時計ではない。ケースの側面を見て「だいたい7時18分くらいかな」と思うだけで十分だろう。パリ・デュコヴィック(Pari Dukovic)風のスタイリッシュな写真では分かりにくいが、洗練されたラグも時計を視覚的にスリムに見せるのに役立っている。

M.A.D.1.S.
もしかしたらこれが3度目の正直(もしくは4度目か……、いずれにせよ)かもしれない。私は今回も確実にエントリーするつもりであり、抽選が締め切られる前にこの時計を実際に見て、さらに考えを深めたいと思っている。その時が来れば、皆さんがどこで見つけられるかはご存じのはずだ。ああ、忘れる前にもうひとつ。プレスリリースでチームが新たな情報をちょっとだけ教えてくれた—M.A.D.2も近々登場予定とのことだ。

M.A.D.1.S.
基本情報
ブランド: M.A.D. エディション(M.A.D. Editions)
モデル名: M.A.D.1S

直径: 42mm
厚さ: 15mm
ケース素材: 316L ステンレススティール
文字盤色: 関係諸氏および The Tribe(MB&Fのオーナーズクラブ)メンバーはパープルのアクセントのモデルを、一般はアイスブルーのアクセントのモデルを販売
インデックス: サイドから見るシングルバレル表示
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: SS製フォールディングバックル付きレザーストラップ

M.A.D.1.S. Movement
ムーブメント情報
キャリバー: 改良を施したラ・ジュー・ペレG101
機能: 特殊な回転式アワートラック
直径: 11 1/2リーニュ(約26mm)
厚さ: 4.45mm
パワーリザーブ: 68時間
巻き上げ方式: 自動巻き(片方向巻き上げ式)
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24
追加情報: 両面に無反射コーティングを施したミネラルガラスとサファイアクリスタルを使用

価格 & 追加情報
価格: 2900スイスフラン(日本円で約50万円)
発売時期: 抽選へのエントリー期間は8月27日(火)から9月2日(月)まで
限定: なし、しかしこのロットはわずか1500本のみ

ニバダ グレンヒェン 交換可能なベゼルを備えた新作

ニバダ グレンヒェンは、ヴィンテージコンセプトを復活させることにかけて定評がある。実際、それがブランドの特徴とも言える。ギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏が指揮を執ったこの現代的なリバイバルでは、クロノマスターやクロノキングといった過去のモデルが復刻され、ダイヤル、ムーブメント、カラーバリエーションのバリエーションは無限に広がっている。本作は1960年代初頭に登場したCOLORAMA(コロラマ)VIウォッチから着想を得た交換可能なベゼルを搭載し、それをブランドの象徴的なクロノグラフに応用している。今回新たに3モデルが追加され、それぞれに5種類の交換可能なベゼルが付属している。

コロラマ VI

ニバダは今回、クロノマスター “ブロードアロー”、クロノマスター “シンガー・ポール・ニューマン”、クロノキング・メカクォーツの3モデルに対して、工具を使わずに取り付け可能な双方向回転式スナップオンベゼルキットを新たに導入した。文字盤に関しては、クロノマスター “ブロードアロー”はほぼ変わっておらず、これはニバダの現代的復活を象徴するモデルのひとつと言えるため、ベゼルキットにおいても変更なしとするのは理にかなっている。同モデルには5種類のアルミニウム製ベゼルが付属しており、ブラック、ブルー、グリーン、レッドのベゼルには分・時の目盛りが刻まれている。さらにブラックとレッドのツートンベゼルには、黒い部分に分目盛り、パテックフィリップ スーパーコピー代引き優良サイト赤部分には都市名が配されている。

もうひとつのクロノマスターはシンガー社風の文字盤を採用し、ブランドのエントリーモデルとして初めて“ポール・ニューマン”スタイルのインダイヤルを採用した。このモデルは決して安価ではなく、価格は1975ドル(日本円で約29万円)からだが、2021年に発売されたバルジュー23をベースとした限定モデル(4900ドル、日本円で約70万円)に比べればかなり手ごろだ。文字盤は、強いコントラストを持つブラックとホワイトのデザインで、インダイヤル、タキメーターリング、針、そしてインデックスはすべて黒、文字盤のベースとインダイヤルのプリントは鮮やかな白という配色になっている。とてもクリーンな印象で、わずかに赤のアクセントがある。このクロノマスターモデルには異なる文字盤を採用しているが、ブロード アローと同じ5種類のベゼルが付属している。

この新しい“レッド&ブラック”ベゼルは、クロノマスターのシンガー風文字盤にとてもよくマッチしている。

ニバダの現代版クロノマスターはこれまで、機械式モデルに手巻きのセリタ製SW510クロノグラフムーブメントを使用していたが、新たにリリースされたふたつのクロノマスターは、過去にニバダが採用していたムーブメントサプライヤーへのオマージュとして、手巻きのランデロン70ムーブメントを搭載している。これらのモデルにはサファイアケースバックを選べるオプションがあり、選択するとムーブメントを隅々まで見ることができる。仕上げに関しては適切な表現が見当たらない。まあまあといったところだが、現代版において選択肢があるのはいいことだ。特に、サイト上にはソリッドケースバックのオプションも多く用意されている。クロノマスター “ブロードアロー”と“シンガー ポール・ニューマン”はどちらも直径38mm、厚さ13.75mmで、価格は1975ドル(日本円で約29万円)からとなっている。

新ラインナップの最後を飾るのは、クロノキング・メカクォーツの新たなアプローチだ。このモデルは昨年大きな成功を収めたが、今回はマットな質感の文字盤、ラリースタイルのミニッツトラック、そして鮮やかなオレンジをふんだんに使うなど、ヴィンテージから着想を得たデザインとなっている。特に注目されるのはベゼルで、クロノキングには合計10種類ものベゼルオプションが用意されている。この時計を注文する際には、GMTかタキメーターベゼルの2種類から選択が可能だ。別途説明はいらないかもしれないが、色使いがとてもおもしろい。GMTベゼルはプレキシガラスのインサートを備え、外側の黒いリングには都市名がホワイトのスーパールミノバでエングレービングされている。インナーリングにはタキメータースケールがあり、オレンジ、グレー、ピンク、ブルー、グリーンといったさまざまな配色がされている。タキメーターベゼルはソリッドカラーで、ブルー、オレンジ、レッド、グレー、ブラックの各色にタキメータースケールが付いている。

クロノキング・メカクォーツは、ほかのメカクォーツバージョンと同様に直径38mm、厚さ13.4mmだ。内部には、クォーツによる計時ながらクロノグラフ機能のための機械式モジュールを組み合わせた、VK63メカクォーツムーブメントを載せている。このムーブメントの特徴として、3時位置のインダイヤルに固定された24時間表示が備わっている。クロノキング・メカクォーツの価格は579ドル(日本円で約8万円)からで、標準モデルより約100ドル(日本円で約1万5000円)高いが、これは5つの交換可能なベゼルが付属しているためだろう。

我々の考え
ニバダ グレンヒェンがカスタマイズを通じて顧客の要望に応えるアイデアを取り入れるのは、今回が初めてではない。過去には、デプスマスターやクロノマスターに対して“ミックス&マッチ”スタイルでカスタマイズオプションを提供していた。限定的な期間ではあったが、顧客はベゼル、ダイヤル、針、ストラップなどを自由に組み合わせ、自分だけのモデルをつくることができた。ギヨーム氏は、“顧客は常に正しい”という考えのもとこれらのプログラムを進めたようだが、なかにはあまり見栄えのしない組み合わせもあったに違いない。交換可能なベゼルでは、ギヨーム氏はあらかじめ設定されたフレームワークのなかで、購入後も顧客が自分の好みに合わせて時計をカスタマイズできるようにしている。これは通常、あとから変更できるものがストラップくらいだということを考えると、なかなかおもしろいアイデアだ。

クロノマスターのバリエーションに関しては、ランデロン70ムーブメントがセリタ製SW510と比べてどのようなパフォーマンスを見せるか、非常に気になるところだ。SW510は、この価格帯で事実上標準的な手巻きクロノグラフムーブメントと言えるが、今までランデロンという名前のムーブメントが存在しているとはまったく知らなかった。少し調べてみると、ランデロン スイス ムーブメント(Landeron Swiss Movements)という会社が存在し、いくつかのパートナーが記載されていることが分かった。つまり別のニュースとして、ランデロンが新たな形で復活していることを知ったわけだ。このパートナーシップは歴史的なつながりを考えれば納得できるが、これはかつてのランデロンではないだろうと思う。今後、同クロノグラフムーブメントがどのような性能を発揮するのかは時間が教えてくれるだろう。この価格帯なら、個人的にはセリタムーブメントのほうが安心できたかもしれない。

この3つのなかで、個人的に最も興味深いのはクロノキング・メカクォーツだ。とくに質感のある文字盤がとても気に入っている。このモデルのすべてのバリエーションに共通している特徴はくぼんだインダイヤルで、これが文字盤にさらに深みを与えている。文字盤をじっくり見ると、いくつものレイヤーが存在しているようだ。こうした立体感のおかげで、579ドル(日本円で約8万円)の時計がその価格以上の価値を感じさせる仕上がりになっている。さらに、プレキシガラス製のGMTベゼルも興味深く、視覚的に時計をより魅力的にしているようだ。忙しないデザインが、ここではうまく機能している。

交換可能なベゼルもかなり楽しめそうだ。また、ニバダ グレンヒェンは現在、追加のモデルも開発中だと述べている。このことから、いずれギヨーム氏とチームがベゼル単体でのリリースにも取り組むだろうと予想される。これによりコレクターがすでに所有している時計に新たな命を吹き込める、素晴らしい方法となるだろう。アクセサリーを通じたカスタマイズの新たな選択肢を提供するだけでなく、販売後もブランドと顧客とのつながりを維持する、賢い戦略だと言える。

基本情報
ブランド: ニバダ グレンヒェン(Nivada Grenchen)
モデル名: クロノマスター インターチェンジャブル・ベゼル(Chronomaster with interchangeable bezels)、クロノキング インターチェンジャブル・ベゼル(Chronoking with interchangeable bezels)
型番: 86056M01LO(ブロードアロー)、86054M01LO(ポール・ニューマンダイヤル)、87042Q01(クロノキング・メカクォーツ)

直径: 38mm
厚さ: 13.75mm(クロノマスター)/13.4mm(クロノキング)
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック(ブロードアロー、クロノキング)/ホワイト(ポール・ニューマン)
インデックス: アプライド(ポール・ニューマン、クロノキング)/プリント(ブロードアロー)
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 全12種類からなるさまざまなストラップ&ブレス

up close chronomaster with separated bezel
ムーブメント情報
クロノマスター
キャリバー: ランデロン70
機能: 時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ(24時間表示)
直径: 30.4mm
厚さ: 7.58mm
パワーリザーブ: 約46時間(クロノマスター)
巻き上げ方式: 手巻き(クロノマスター)
振動数: 2万8800振動/時(クロノマスター)
石数: 32

クロノキング
キャリバー: VK63メカクォーツ
電池寿命: 約3年

価格 & 発売時期
価格: クロノマスターは1975ドル(日本円で約29万円)から、クロノキング・メカクォーツは579ドル(日本円で約8万円)から
発売時期: 最初のデリバリーは10月初旬からスタート
限定: なし

ショパール L.U.C 1860 フライング トゥールビヨンは28年を費やし完成したタイムピースだ

1996年、ショパールは初の自社製Cal.1.96を発表した。翌年、このキャリバーはL.U.C 1860に搭載され、ジュネーブシールとCOSC認定を受けたマイクロローターキャリバーとして、ショパールのフルリエ工房で製造された。

chopard luc 1860 tourbillon gold
ショパール L.U.C 1860 フライング トゥールビヨン

私が執筆したオリジナルL.U.Cコレクションのコレクターズガイドにも記したように、ショパールのオーナーであるカール-フリードリッヒ・ショイフレ(Karl-Friedrich Scheufele)氏がブランド初の自社製キャリバーに求めた条件のひとつは、“将来的に複雑機構を搭載できるだけの強度と、平均を上回るパワーリザーブを備えること”だった。この技術的な要件に対する彼のこだわりは、28年の歳月を経て、私が目にしたモダントゥールビヨンのなかでも最も美しい一本とも言えるショパール L.U.C 1860 フライング トゥールビヨンの誕生へと結実した。

chopard luc 1860 flying tourbillon
新しいフライング トゥールビヨンは、オリジナルのショパール L.U.C 1860と同じケースサイズで設計されており、口コミ第1位のリシャールミルスーパーコピー代引き専門店!そのサイズは36.5mm×8.2mmだ。このことにより、世界で最も小さいフライング トゥールビヨンであるだけでなく、ジュネーブシールとCOSC認定の両方を備えた唯一のモデルにもなっている。このモデルには、2019年に発売された、より大きな“フライング T”モデルのために設計されたCal.L.U.C 96.24-Lが搭載されている。さらに同ムーブメントは、数年後Revolution(レボリューション)によって、ホワイトゴールドとサーモンカラーの美しい限定版としてより小型の1860ケースに収められた。

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Cal.96.24-Lは、ヒンジ付きハンターケースバックの下からのぞける。

本作は価格が12万7500スイスフラン(日本円で約2230万円)と高額であるが、わずか10本しか生産されないため、すでに完売していることだろう。18Kイエローゴールド製のケースがゴールドの文字盤と調和し、時計に温かみを与えている。これはかつてのパテック フィリップなどの“ドレ(doré、ゴールドに仕上げられたという意味)”文字盤で見られたような、ヴィンテージ特有の上品さに通じるものだ。この文字盤はショパールが数年前に買収した製造メーカー、メタレム(Metalem)社によってつくられている。ショパールは長年メタレムを採用しており、オリジナルのL.U.C 1860の文字盤も彼らの製作である。あのデュフォー シンプリシティもメタレム社製の文字盤を用いたことは有名な話だ。ゴールドの文字盤には手作業でギヨシェが施されており、これが生産速度を自然に抑える要因のひとつであるとショパールは述べている(昨年のルーセントスティール™製L.U.C 1860も、同様の理由により製造がゆっくり進んでいた)。さらに、アウターインデックスと6時位置のトゥールビヨンにもギヨシェ装飾が施されている。ロジウム加工されたインデックスとドフィーヌ針は、YGダイヤルとケースに対して控えめなコントラストを添えているが、私としてはインデックスと針も全面ゴールドで仕上げて欲しかったと思う(些細な不満ではあるが)。

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このフライング トゥールビヨンムーブメントは、シンプルな時刻表示専用のマイクロローターキャリバーを基に設計。サイズは27.4mm×3.3mmと、こちらも“世界最小クラス”を誇っている。ツインバレルにより約65時間のパワーリザーブを備え、また技術的な特徴として近年では多くのブランドが取り入れなくなったようなディテールが揃っている。ブレゲひげゼンマイ、スワンネック緩急針、ジュネーブストライプ、手作業によるアングラージュ(面取り)などがその例だ。さらにハック機能を備えた数少ないフライング トゥールビヨンでもある。ハンターケースバックを開けると、サファイアガラス越しにCal.L.U.C 96-24-Lを鑑賞できるようになっている。

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ショパール L.U.C 1860 フライング トゥールビヨンは、まさに完璧なドレスウォッチトゥールビヨンといえるだろう。スリムで装着しやすく、その高度な技術力を強調することなく控えめに存在感を放つが、その技術はショパールと同規模のほかのメーカーをはるかに凌駕している。だがこの時計が単に美しいだけではないことも特筆すべきだ。28年前、カール-フリードリッヒ・ショイフレ氏がCal.1.96を開発する際、こだわり抜いた技術革新があったからこそ、これほどまでに完成度の高い時計が実現したのである。

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今回のフライング トゥールビヨンや、昨年のルーセントスティール™製L.U.C 1860、あるいはアルパイン イーグル XPSなどのリリースをきっかけに、ショパールのL.U.Cコレクションがいかに秀逸であるかを理解し始めたコレクターが増えてきている。L.U.Cコレクションは、ラグジュアリーな時計とジュエリーを幅広く手がけるショパールのなかでも、まさに自社製造による高級時計製造の砦である。そしてムーブメント製造に伴う制約から、ショパールが年間に製造するL.U.Cウォッチの数は数千本程度に限られる。この規模はパテックやジャガー・ルクルトよりもランゲに近いといえるだろう。

chopard luc 1860 tourbillon
L.U.C 1860 フライング トゥールビヨンを着用するカール-フリードリッヒ・ショイフレ氏。

正直に言って、L.U.Cコレクションのなかにはまだ大きすぎたり、デザインが少し無機質に感じるモデルもある。ただ昨年も書いたように、ルーセントスティール™製のL.U.C 1860は、このカテゴリーで私が最も好きなモダンウォッチのひとつだ。そして今では、このL.U.C 1860 フライング トゥールビヨンにも同じ愛着を感じている。

ショパール L.U.C 1860 フライング トゥールビヨン。36.5mm×8.2mmのエシカルイエローゴールドケース。自動巻きCal.L.U.C 96.24-L搭載、COSC認定とジュネーブシール取得済、マイクロローターと189の部品で構成され、サイズは27.4×3.3mm。ツインバレルによりパワーリザーブは約65時間。ゴールド文字盤に手彫りのギヨシェ装飾、ロジウム加工のインデックスと針。価格は12万7500スイスフラン(日本円で約2230万円)。世界限定10本のシリアルナンバー付き。

オメガ スピードマスター プロフェッショナルを正規サービスに出してみた

時計のオーバーホール問題…いつすべきか、そもそもするべきか、そしてその価値があるかどうか、多くの時計愛好家にとってはできるだけ先送りにしたい課題だ。その理由は予想がつくだろう。

まず第一に、費用がかさむ。時計の種類やメーカー、修理を行う職人、修理内容によっては、マンハッタンでのディナー代から、場合によってはそれなりのクルマが買えるほどの費用にまで膨らむこともある。次に時間がかかるという点だ。いい仕事と迅速な仕事は必ずしも両立しないということは理解しているつもりでも、“数週間から数カ月、極上オメガスーパーコピー 代引き専門店そら~場合によってはヴィンテージや複雑機構の時計に関しては1年以上かかる”と聞かされると、さすがに身構えてしまうものである。

さらに、オーバーホールにはさまざまなリスクも伴う。特に古い時計を正規のサービスに出す場合、元の状態をできる限り保ってほしいと望むと、メーカー側と意見が対立することもある。原則として時計メーカーやそのアフターサービス部門は、修復や保存を専門とする機関とは見なしていない。彼らの主な目的は、最新の技術的なアップグレードを施し、可能な限り新品に近い状態で顧客に時計を返すことにあると考えている。こうした状況のなかで、たとえば顧客が“ダイヤルや針には一切手を加えないでほしい”と要望することは、メーカー側からすれば奇異に映ることがある。“もししっかり動く時計がほしいなら、なぜ古びて夜光機能が失われたダイヤルをそのままにしておくのか? 現代のダイヤルとしてふさわしく、暗闇でしっかり光る新品のものに交換したほうがいだろう”という考え方が一般的なのだ。そのため、清掃やオイルの再充填だけでなく、単にパーツが交換されるのだ。交換の対象にはダイヤルや針、ゼンマイ、リューズ、巻き芯、パッキンなどが含まれる。さらに大手メーカーの場合、ムーブメント全体が最新バージョンに置き換えられることも珍しくない。

もちろん顧客側としては、ヴィンテージウォッチの価値を損なう可能性がある部品交換を、アフターサービス部門が強引にすすめることに憤りを感じるのも無理はない。さらに前述したコストや時間の問題が加わると、まさに“諍(いさか)いの温床”とでも言うべき状況になり、両者にとって不満や不和の原因となりやすい。それでもなお、実際のところどうなのかを確かめる価値はあるだろう。たとえそれが一例だけの話であっても。そこで今回は、私自身が時計1本をとおして経験した実例を簡単に紹介する。

今回取り上げる時計は、私にとって特別な存在であるオメガ スピードマスターだ。大学院を修了した際の自分へのご褒美として、初めて購入した“ちゃんとした時計”でもある。特に珍しいモデルというわけではなく、1985年後半に工場を出た861ムーブメントを搭載したごく標準的なプロフェッショナルモデルだが、個人的に強い愛着を持っている。この時計の前回のオーバーホールが2005年で、そのときは腕のいい独立時計メーカーに清掃と注油を依頼したが、今回はオーバーホールを受けるべき時期がとうに過ぎていた。そこで今回は、ニューヨークのフィフス・アベニューにあるオメガブティックのアフターサービスセンターに出してみることにした。

来店したときからサービスセンターのスタッフはとても丁寧に対応してくれ、これ以上ないほど親切だった(当然ながら匿名での訪問だ)。実際のところ、接客という観点だけで見れば、これまで経験したなかでも群を抜いて、ていねいで高品質なサービスを受けた。これはここで修理を依頼した友人たちから聞いていた話とも一致するものだった。不安を抱きつつも時計を預け、見積もりの連絡を待つために帰宅した。

まず、ブティックの時計技師が時計をチェックし、問題箇所のリストを作成してくれる。私のスピードマスターは10年以上使用していて、時には手荒な扱いもあったためなかなか痛々しい状態だった。傷や凹み、擦り跡、乾燥している箇所や不足しているオイル、汚れなどがリストアップされ、その数々の欠陥が並ぶと、さすがに気が滅入る内容で、“ここまでボロボロにするなんて、あなたは一体何者だ”とでも書かれていそうな勢いだった(見積もりの詳細については後述する)。さすがに反省し、サービスセンターに修理を依頼することにした。

ここで唯一の問題が発生した。私はサービスセンターにダイヤルは元のまま残してほしいと頼んだのだ(この時計を手放すつもりはなく、また収集価値に特別なこだわりがあるわけではないが、トリチウムの夜光インデックスの風合いが気に入っていたのだ)。少し気まずそうな反応を受けたものの、いくつかやり取りを重ねたあと、サービスセンターは要望を受け入れてくれた(ちなみに業界関係者によれば、トリチウムのダイヤルは放射線物質としての扱いが必要だとのことだ。対応方法は州によって若干異なるものの、ニューヨーク州ではトリチウムの低レベルのアルファ放射線に対しても、安全に取り扱うための従業員研修が義務付けられており、廃棄手順も定められているらしい)。サービスセンターは当初、この時計をビエンヌの本社に送る予定だとしており、その場合、4月中旬に預けた時計がアメリカに戻ってくるのは9月初めになるとの見積もりだったため驚かされた。ただ結局、海外送付の必要がないとなり納期は4週間に短縮された。

全工程は約8週間かかった。4月中旬にサービスに出し、戻ってきたのは6月中旬だった。長い待ち時間だったと感じたが、実際にかなりの時間がかかったと言える。最もCal.1861のような、比較的シンプルなムーブメントであってもこれくらいの期間がかかるのは珍しいことではない。

今回のサービスの総費用はかなり高額で、800ドル(当時の相場で約9万6000円)弱だった。ラグジュアリー商品にかかる費用としては驚くべき額ではないにせよ、新品のムーンウォッチが約5000ドル(当時の相場で約60万円)と考えると、そのおよそ6分の1に相当するので決して安くはない。とはいえ哲学的に考えると(そして独立時計メーカーに頼まない限り、この費用を受け入れるほか選択肢もないのだが)、こうも考えられる。仮に5年ごとにオーバーホールするとすると、年間160ドル(当時の相場で約2万円)、月に約13ドル(当時の相場で約1500円)、1日あたりにして40セント(当時の相場で48円)ちょっとに相当する。普段の生活でこの程度の金額を気にせず使っていることも少なくないのではないだろうか。またサービスがうまくいけば、実質的に新品同様の時計が手元に戻ってくる点も忘れてはならない。オメガの場合、新しいパッキンや必要に応じた摩耗部品(巻き芯やリューズ、新しいゼンマイなど)も交換され、交換された部品(外観に関わる重要な部品は特に)も一緒に返却してくれる。もちろん、独立時計メーカーに依頼することも可能だ。今も優れた職人たちが、厳しい環境のなかで素晴らしい仕事をしている。もし初めて独立時計メーカーに頼むのであれば、信頼できる人から複数の推薦を受け、よく評判を調べることが肝心だ。残念なことに腕の悪い業者もいるもので、大切な時計をぞんざいに扱ったり、料金を取るだけ取って問題を残したりすることもある(ちなみに、これはメーカー正規のアフターサービスにも当てはまる話で、絶対的な保証があるわけではない)。

それで、このサービスに価値があったか? 時計は見違えるほど美しい状態で戻ってきた。完璧にクリーニングされ、工場出荷時のように整備されただけでなく、ケースやブレスレットもていねいに仕上げられていた(1171ブレスレットがこれほどよく見えるとは思わなかった)。時計への細やかなケアと、サービスセンターのスタッフの一貫した対応を考えると、費用に見合っていたと感じる(何しろ5、6年に1度のことだ)。だがもしこれがもっと時間がかかっていたり、受け取ったあとに問題があったりすれば、不満を感じていたかもしれない。

ブランドにとっての本当の問題は、長い待ち時間と高額な費用が顧客に一定の期待を抱かせ、それに対しささいな問題でも過剰な失望を招きかねないことだ。これが長期的な課題となっている。ラグジュアリーウォッチの顧客が、費用や遅延に理解を示せず、不満を募らせて“時計なんてもういいや”と思わないように、顧客の期待をうまく管理する必要があるのである。

一方で、サービス体験が素晴らしくていねいに扱われた時計が戻ってきて、顧客自身も大切に扱われたと感じられれば、アフターサービスはブランドにとって最高のPRになり得る。

オリス「ダイバーズ 60周年アニバーサリーエディション」

 2025年の新作としてオリスより、1965年にオリス スーパーコピーが初めて作ったダイバーズウオッチを60年ぶりに復刻した「ダイバーズ 60周年アニバーサリーエディション」が登場します。当時の遊び心あるミッドセンチュリーデザインをそのままに、最新ムーブメントでアップデートされています。

 口コミ第1位のスーパーコピー 代引き専門店。1965年、オリスは最初のダイバーズウォッチを発表しました。ステンレススチールケースに両方向回転ベゼルを備え、遊び心あるユニークなデザインでありながらダイバーズウォッチとして必要な視認性を確保した文字盤の、当時レジャーとして人気が出始めたスキューバダイビングに適応するモデルでした。それから60年目の2025年、その特別なデザインを復刻したダイバーズ65 アニバーサリーエディションを発表します。

 新作「ダイバーズ 60周年アニバーサリーエディション」はスイスの独立時計ブランドが誇る、アイコニックなモデルを忠実に再現しています。40ミリのステンレススチールケースに両方向回転ベゼル、ステンレススチールのブレスレットをセットして中身はスイス製自動巻ムーブメントです。1965年のオリジナルそのままに、ブラックの文字盤はビンテージのディテールを再現しています。

 6時位置に“anti-shock”のラベル、短めのインデックス、3・6・9時の数字もオリジナルと同様大き目で勿論蓄光加工です。一番の特徴はレトロなオリスロゴの下に“waterproof”の文字が添えてあるところです。付替え用のブラックレザーストラップも付属しています。ケースバックには60周年を表現する特別な刻印があります。

代金引換 オリス エアレーシングチーム シルバーレイク 735.7641.4184M
品名 エアレーシングチーム シルバーレイク
Air Racing Team Silver Lake Edition
型番 735.7641.4184M
素材 ケース ステンレススチール
ベルト ステンレススチール
ダイアルカラー ブラック
ムーブメント 自動巻き
Cal.735
防水性能 100m防水
サイズ ケース:42 mm(リューズ除く)
メンズサイズ
ガラス サファイヤクリスタル風防
仕様 日付表示 3針 曜日表示
付属品 オリス純正箱付・国際保証書付